世界でも類をみない超高齢社会となった日本。今後も少子高齢化の流れからは、逃れることはできない。その結果、企業における労働力の確保は、喫緊の課題として議論されている。この課題を解決するために、政府主導で打ち出した対策が「働き方改革」だ。この働き方改革は、抑えるべきポイントが多岐にわたりすぎて、パートナー様のビジネスに結びつかないという声も聞こえてくる。そこで今回の特集は、働き方改革について、いま一度、情報を整理すると共に、
各部門別の提案ポイントについて紹介したい。 |
多くのエンドユーザー様にとって、働き方改革はいまや待ったなしの課題だ。政府は2017年度中に関連法案の国会への提出・成立を図り、予定どおり2019年度以降の施行を目指すと見られる。「ブラック企業」というレッテルを貼られないように、いますぐにでも改革に取り組みたいと考えるエンドユーザー様は多い。 あらためて整理すると働き方改革は、労働人口の減少という日本社会の課題を乗り越えるための具体的施策に位置づけられる。その柱は、(1)長時間労働の解消、(2)非正規と正社員の格差是正、(3)単線型でない多様なキャリアパスの実現の3点。介護、育児と仕事の両立や高齢者が無理のない範囲で働ける環境を用意することで、労働人口の不足をカバーすることがその基本的な考え方になる。一方で過労死を巡るニュースがあとを絶たないことから、特に長時間労働の是正に大きな注目が集まり、それが企業の評価にもつながりかねないというのが現在の状況だ。
では、ホワイトカラー従業員の残業時間や休日出勤の削減に取り組もうとするエンドユーザー様に何を提案すべきなのか。そのキーワードは労働生産性の向上という言葉に尽きる。
確かに、残業時間の短縮は従業員のワークライフバランス改善に貢献する。だが、それによって会社の売上が減少するようでは本末転倒だ。それならオフィスの日常業務における無駄な時間をなくすことが生産性向上の近道だ。例えば、紙文書を電子化(スキャニング)し、検索性を高めれば、探し物の時間を減らすことができる。実際、仕事に必要な紙資料が見つからずイライラばかりが募る経験は誰もがあるはずだ。また大企業のビジネスマンを対象にした別の調査では、業務全体に会議時間が占める割合が20%に達したという。40年間企業で勤め上げると、そのうち8年分を会議に費やすわけだ。会議を立って行うなど、会議時間の短縮に取り組む企業が多い背景には、こうした事情がある。 長時間労働の是正には、残業や休日出勤を抑制することや、会議時間の短縮化を図る社内のルール整備が不可欠であることは言うまでもない。それと共に生産性向上を積極的に図っていくことで、初めて売上の維持・向上が可能になる。その役割の大きな部分を担うのはいっそうのIT活用であることは間違いない。今回はこうした観点から、働き方改革に向けた生産性向上の具体的提案を部門別に整理していきたい。
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