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巻頭特集 中堅・中小企業様を活性化させる! 注力すべき2017年の提案ポイント
2017年1月時点の情報を掲載しています。

これからの産業の発達には、IoT(Internet of Things)、ビックデータ、人工知能、ロボット・センサーの技術的ブレークスルーを活用する「第4次産業革命」の推進か必要であると「日本再興戦略2016」では明言された。さらに成功のカギは中堅・中小企業が握っているとされ、今後、日本の発展を支えるのは、パートナー様をはじめとするITインテグレーターが担っているといっても過言ではない。そこで、今回の年頭特集では、働き方や今後の注目商材をテーマに、2017年にパートナー様の注力すべきポイントを紹介したい。

2016年から分析する今年のITビジネス 働き方改革や時間外労働削減に向けた新たなITニーズが生まれる

アベノミクスのカギを握る中堅・中小企業のIT化
 名目GDP600兆円を掲げ、昨年6月に安倍内閣が発表した「日本再興戦略2016」において、具体的施策の冒頭に置かれたのは、IoT(Internet of Things)、ビックデータ、人工知能、ロボット・センサーの技術的ブレークスルーを活用する「第4次産業革命」の推進だった。その中で、ぜひ注目したいのが、日本版第4次産業革命の成功のカギは中堅・中小企業が握っているという一文だ。そこでは、現場ニーズに対応したIT導入の重要性が強調されているが、逆に言うと、海外の先行プレーヤーに較べI T化の出遅れが目立つということにほかならない。
 中堅・中小企業の場合、情報システム部門が存在しない、あっても保守だけで精一杯ということも少なくない。産業の現場を支えていくITビジネスの重要性が今後、さらに高まることは間違いない。
 2016年に安倍内閣が発信した、ITが関連するもう一つのキーワードが「働き方改革」だ。いわゆる三六協定の見直しまで踏み込んだ幅広い検討が進む働き方改革には、ITを活用したテレワークの普及も含まれている。
 時間外労働の削減も昨年のIT市場を象徴するキーワードの一つだ。大手広告代理店の新入社員の過労死により社会問題化したこの問題は、実は日本の産業界が以前から抱えてきた課題でもある。2015年にO E C Dが発表した労働時間当たりの生産量を示す労働生産性は加盟する35カ国中18位で、過去20年にわたり、ほぼ同水準で推移している。その原因を単純化することは難しいが、ITによって省力化することが可能な時間外労働はその要因の一つである。
 時間外労働の削減は、雇用制度や人事評価まで含めた事業全体の見直しが必要になる。その一方でニーズが高まっているのが、BEMS(Building Energy Management System)を利用したオフィス自動消灯ソリューションだ。決められた時間にオフィスの照明が自動的に消灯する単純な仕組みは、習慣化した時間外労働の見直しを図る上でも有効だ。電力消費に加え、時間外労働も削減するという視点にもとづくBEMS提案にも、ぜひ注目したい。

今後も積極的に伝えたいマイナンバーの大きなリスク
 内閣発信のテーマを離れ、2016年のITビジネスを俯瞰すると、その重要なキーワードの一つが「セキュリティ」だった。マルウェアへの脅威や企業内情報保護に対する意識の高まりに伴い、近年セキュリティへの関心は急速に高まっている。この状況を後押ししたのが、本格運用が開始されたマイナンバー制度である。
 周知のように、マイナンバーの漏洩は、その行為者だけでなく企業も罰則が科される。不正取得の疑いで昨年12月にマイナンバー法施行後初の逮捕者も出ているだけに、今後もそのリスクは積極的に伝えていく必要があるだろう。
 マイナンバー取り扱いのガイドラインである安全管理措置は、企業内情報のセキュアな運用を図る上でも一定の指針になる。特に、アクセス制御や外部からの不正アクセス防止などを目的とした技術的安全管理措置の観点からのセキュリティ見直し提案は大きな意義を持つ。
 その一例がアクセス制御の見直しである。多くのエンドユーザー様はアクセス制御をIDやパスワードで行っているはずだが、その管理は必ずしも厳格に行われているわけではない。おそらく、パスワードをメモに残していることも多いだろう。この場合、偶然メモを目にした従業員によってマイナンバーが流出したなら、企業の責任は避けられないことになる。マイナンバー商戦は一段落したが、企業内情報の保護という観点からは、まだまだ啓発すべき事柄は多い。生体認証ソリューションの活用やアクセスログ管理など、こうした課題にITによって対応できることは少なくない。エンドユーザー様には、こうした情報漏洩リスクと効果的対策を今後も積極的に発信していきたいところだ。
 セキュリティという観点では、ネットワークカメラ市場の拡大も2016年のトピックの一つだった。データセンターや流通・小売店舗における防犯、食品をはじめとする各種工場における安全対策などだけでなく、これまで監視カメラが使われてこなかった多様な業種において普及が進んでいることが特徴だ。その背後には、監視カメラの低価格化・高性能化と共に、治安への漠然とした不安の高まりがある。盗品転売先が海外にまで広がったことで、盗難被害は、重機や農作物にまで広がっている。こうした未知のリスクが、新たな監視カメラ需要につながっていると言えるだろう。
 これまで、監視カメラの設置はセキュリティ会社が担うことが一般的だった。だがWebカメラの高性能化やPoE給電の普及は、ITインフラと密接につながった新たな需要を生み出している。カメラ、ネットワーク、レコーダー、UPSによるソリューションのニーズは今後さらに広がることが期待できる。
 さらに、マイクロソフトのOffice 365やアドビのCreative Cloudに代表されるサブスクリプション商材への移行が目立ったことも2016年を象徴する動きの一つだ。いわゆる物販型から課金型へのビジネスモデルの移行が、これからも大きな課題であり続けることは間違いないだろう。

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■OECD加盟諸国の国民1人当たりGDPと労働生産性表

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■テレワークの3分類表


■監視カメラ市場規模予測表

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■ネットワークカメラの需要の広がり表

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