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2006年5月時点の情報を掲載しています。
今やビジネスのインフラともいえるITには、セキュリティとアベイラビリティの両立が強く求められています。しかし、ビジネスにおけるITインフラの重要性が高まる一方で、安全性との間には乖離が広がりつつあります。日本の企業の大部分を占める中堅・中小企業のITインフラの整備と今後の市場戦略について、株式会社シマンテック 代表取締役社長の木村 裕之 氏にお話を伺いました。
現代は、情報と通信の社会が成熟しつつあり、ビジネスにとってITは不可欠になってきています。ITはわずか十数年で、ビジネスの基盤になるまで急激に成長してきました。大手企業であれば、必要な人材をそろえ、設備投資を行い、ITインフラを支える人や組織も整備されています。
しかし、まだまだ安全なITインフラが築かれているといいきれる段階にないのが、ITインフラの現状です。ITをビジネスに生かしていくためには、やはり安全、安心で信頼性の高い堅牢な仕組みが必要です。
ITインフラとしての本来の役割と現状にはギャップが開いてしまっていると感じています。つまり安全性、信頼性を脅かすさまざまなセキュリティの脅威に対して、ITインフラとそれによって広がるネットワーク全体を、守っていくソリューションが強く求められています。これはシマンテックにとって大変大きなビジネスチャンスと捉えています。
シマンテックは、今年4月にベリタスソフトウェア社との法人統合を完了いたしました。セキュリティとアベイラビリティを融合し、堅牢なITインフラを構築するために、それぞれのお客さまの異なるニーズに対して、そのニーズに合わせたソリューションを提供することがミッションなのです。そのために日本に根付いた企業として、日本市場に足場を築くことが大変重要なことであると認識しています。
統合されたシマンテックが提供できるソリューションとして、たとえば、バックアップソリューション『Symantec Backup Exec』とシステムリカバリソリューション『Symantec LiveState Recovery』を組み合わせることで中規模のディザスタリカバリーシステムを実現できます。また、もはや基幹システムともいえる電子メールについては、アーカイビングソリューションにアンチスパムのセキュリティを加えることで、電子メール全体を安全に利用できるソリューションの提供が可能になります。
IT環境は企業ごとに当然異なります。ITに関わるシステム全体を見て、シナジー効果が生まれるソリューションを提供していくことで、ITインフラ全体の安全性と信頼性の底上げを図っていかなければいけないと考えています。そして、多くのお客様にとってITを、より使い勝手の良いITインフラにして、安全で安心して利用していただきたいと思います。そのためには、今、導入ニーズの高い多くの中堅・中小企業のお客様への対応が重要になってくると考えています。
世界40ヵ国以上に渡って事業を展開しているシマンテックのビジネスにおいて、日本の市場は非常に重要な市場として位置づけられています。シマンテックにとって、日本市場は、アメリカに次いで世界第2位の市場であり、製品のサポート面や品質に対するお客様の要求や期待度が、諸外国と比較して非常に高いことが特長です。つまりサポート対応のレスポンスとクオリティが同時に求められているのです。こうした厳しい要求に応えるために、ワールドワイドの中では類を見ないほどの人材と設備を、テクニカルサポートに投資しています。
そのひとつとして2005年に、ワールドワイドのエンジニアリングセンターの下部組織として、「シマンテックジャパンエンジニアリングセンター」を日本に開設しました。このエンジニアリングセンターの開設により、日本語環境や国内ベンダーが提供している環境で検証済みの製品を、迅速に導入・利用できるというメリットが提供可能になりました。
また、最近の市場の動きとしては、2009年から施行されるという日本版SOX法についての、ご質問やご要望が増えはじめています。シマンテックでは、「日本版SOX法導入支援推進室」を設置し、日本版SOX法の導入準備を支援する「ITリスクアセスメントサービス」の提供を開始しました。これは、「セキュリティポリシーレビュー」、「アプリケーション脆弱性レビュー」など5つのコンサルティングを提供するものです。
現在のお客様の状況を見ますと、日本版SOX法に対して、「どんな対応が必要なのか」、「どう対処すればよいのか」というまだ模索の段階にあるようです。日本版SOX法への対応は、長い期間をかけた企業全体の機構改革になると見ています。そこで、どのようにデータを取り扱ったらよいのか、セキュリティの全体像はどうあるべきか、などの視点から、まず第一段階としてアセスメントという形のコンサルティングサービスを提供させていただこうと考えています。
シマンテックは、将来的に法人向け製品の割合をおよそ75%くらいに高める目標を持って進めています。ですから、法人市場への期待には、非常に大きなものがあります。ほとんどの企業がITの活用を経営の戦略課題として位置付けておりますので、企業規模こそ違え、ITの重要度はまったく変わらないものと考えています。
市場の裾野が非常に広い中堅・中小規模のお客様には、それぞれの企業規模とニーズにあった、ITインフラを守るためのソリューションや、それを実現していくためのサービスを提供していくことが大切だと考えております。
そのためにも、日本全国の販売パートナー様にできるだけ多くの情報をご提供すべく、今後はさらに地方展開に力をいれてまいります。製品セミナーの全国展開や、さまざまなセールスツールのご提供、さらにはシマンテックとパートナー様をつなぐ、シマンテックパートナープログラムの本格的な整備も進めております。
もちろん当社だけで、サービスまでを含めたすべてをお客様に提供することはできません。シマンテックの社員数から考えても、できることには自ずと限界が生じてきます。お客様ごとの条件やセキュリティの段階に応じた最適なサービスを提供するためには、パートナーの皆様のご協力が今まで以上に重要になってくるものと考えています。とくに全国を網羅している大塚商会様のパートナー様とは、一緒に協働していくことの重要性をますます強く感じています。
シマンテックのセキュリティ製品や、バックアップを中心としたアベイラビリティの製品を中心に融合されたひとつのソリューションとして、大塚商会様とパートナー様との協業によって、これまで以上に全国に広く展開させていただき、安全なITインフラの実現を目指していきたいと考えています。
株式会社シマンテック 代表取締役社長
シマンテックコーポレーション副社長
木村 裕之 氏
【Up Front Opinion】
・急速に高まるブレードサーバ市場でIBMの強みを活かして拡販 【Vol.25】
・New Year Opinion 2006
新しいビジネスチャンスをともに掴み取るために【Vol.24】
・付加価値の高いノートPCを武器にソリューションビジネスを展開 【Vol.23】
・新生シマンテックが実現する情報の安全性と可用性の両立 【Vol.22】
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