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2007年3月時点の情報を掲載しています。
Windows Vistaと2007 Microsoft Office systemのパッケージ販売が始まった。これらのソフトウェアを活用することにより、生産性が向上するだけでなく、豊かな表現力で効果的なドキュメントが作成できるようになる。そのため、多くの企業が新しいOfficeの導入を検討している。導入にはさまざまな形態があるが、TCOの削減、コンプライアンスの観点から、ライセンスプログラムを利用した導入形態が注目され始めている。
昨年末、WindowsVistaと同時に法人向けのボリュームライセンス提供が始まった2007MicrosoftOfficesystem(以下、Office2007)。今年1月30日には、店頭でのパッケージ販売も開始され、好調な出足を見せている。
Office2007は、結果指向のユーザーインターフェイスと、強化されたグラフィックエンジンを搭載した結果、操作性と生産性を向上させ、表現力の優れたドキュメントを効果的に作成できる統合ビジネスソフトウェアとなった。また、Office2007は、その中核となるMicrosoftOfficeSharePointServer2007(以下、SharePointServer2007)と連携することで、情報共有、コンテンツ管理、プロセス管理、ビジネスインテリジェンス(BI)を支援し、組織全体の生産性の向上と新しいワークスタイルを実現する。
■最適なライセンスプログラムを理解するためのチャート
Office2007などの製品を利用するためには、その製品を使用する権利であるライセンスを取得しなければならない。しかし、マイクロソフト製品のライセンスは、製品の種類や購入方法により許諾条件が異なるため、適切なライセンスはどれなのか、判断することが難しい。また、パッケージ製品やプリインストールパソコン、ライセンス購入プログラムと、さまざまな選択肢が用意されているため、ソフトウェアをどのような方法で購入すればよいのかということを判断する必要もある。プライベートで使用するソフトウェアの場合、1ライセンスから購入できるパッケージでの購入や、プリインストールパソコンなどによるライセンスの取得が適している。しかし、企業が一括購入する場合、予算やライセンス管理、違法コピー対策といったリスクマネジメントまで考慮しながら、ソフトウェアを導入することになり、より条件が複雑となる。つまり、どのような方法で購入すれば最も効率がよいのかを適切に判断することが重要になる。
ここで、Office製品のライセンス体系を整理してみよう。Office製品のライセンスは、コンピュータ1台につき1ライセンスが許諾されている。また、1つのライセンスで、本人が使用する2台目の携帯型コンピュータにソフトウェアをインストールして使用できる。ただし、プリインストールパソコンで購入したOffice製品のライセンスは、パソコンとのセットでの使用を許諾しているため、別のパソコンに移すことはできない、といった体系になっている。また、ボリュームライセンスプログラムで購入していないパッケージ製品やプリインストール製品をセットアップする際に、インターネット(または電話)でライセンス認証の手続きを行う必要がある。これは、不正コピーを防止するためにOfficeXPから導入された仕組みだ。
企業や組織などに適した購入方法として、「マイクロソフトボリュームライセンスプログラム」が用意されている。これは、マイクロソフト製品の種類と数量を明記したライセンス証書のみでソフトウェアのライセンスを取得できるうえ、低価格でソフトウェアが提供されるという、企業や組織に適したライセンスプログラムだ。ライセンス認証不要、ダウングレードや他のパソコンへの移動も可能、といった特徴に加えて、アップグレードの予算化が容易になるといったメリットがある。
ライセンスプログラムには、企業規模や今後の導入計画などにあわせて、多様なプログラムやオプションが用意されている。パソコン250台以上を保有する中堅企業を対象としたライセンスプログラムとして「エンタープライズアグリーメント」や、「エンタープライズサブスクリプションアグリーメント」が用意されている。「エンタープライズアグリーメント」は、3年の契約期間内に発売された最新バージョンを含め、あらゆるバージョンが利用できるライセンスプログラムだ。一方、「エンタープライズサブスクリプションアグリーメント」は、3年の非永続的プログラムで、パソコン台数の大幅な増減にも柔軟に対応できるうえ、契約満了時に、契約の更新またはライセンスの買い取りオプションを行使して、永続ライセンスを購入することもできる。
パソコンの保有台数が5台〜249台の中・小企業向けの同様のライセンスプログラムも用意されている。「オープンバリュー」には、5ライセンスから必要な数だけライセンスを購入できる「個別契約オプション」と、Office製品やWindowsなど、特定のマイクロソフト製品のライセンスを企業内すべてのコンピュータに対して適用する「全社契約オプション」がある。国内の全関連会社での一括購入も可能で、企業グループ内のソフトウェアの標準化を実現できる。また、3年の契約期間内に製品の新バージョンが発売された場合、自由にアップグレード可能となっている。
もう1つの「オープンバリューサブスクリプション」は、3年の契約期間のライセンスプログラムで、年1回、利用しているパソコンの台数をもとにライセンス料金を決定する。「エンタープライズサブスクリプションアグリーメント」と同様、パソコンの台数の大幅な増減にも柔軟に対応できる。また、該当するソフトウェアライセンスをすでに持っている企業が、「オープンバリューサブスクリプション」に移行する場合は、初年度のライセンス価格を約50%割り引いてもらえる「移行支援ディスカウント」を利用すれば、導入コストを削減することが可能だ。
Office2007のライセンスプログラムを効果的に活用し、システムを標準化することにより、ヘルプデスク業務などのサポートにかかるコストや、ソフトウェア管理にかかるコストを削減できる。さらに、これらのライセンスプログラムを活用することにより、違法コピーなど、不正使用のリスクを回避するためのコストも削減することができ、コンプライアンスの確立という観点からも注目される。
■2007 Microsoft Office systemのパッケージ構成とボリュームライセンス
※Microsoft Office Communicator 2007は2007年第3四半期以降の出荷を予定しており、提供形態は変更される可能性があります。
【ソフトウェアライセンス】
・第22回 株式会社シマンテック 【Vol.30】
・第21回 日本アイ・ビー・エム株式会社 【Vol.28】
・第20回 日本CA株式会社 【Vol.27】
・第19回 アドビシステムズ株式会社 【Vol.26】
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