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第2特集 いま必要な事業継続ソリューションはこれだ!
2009年7月時点の情報を掲載しています。

世界保健機関(WHO)は2009年6月に、新型インフルエンザの警戒水準を世界的大流行「パンデミック」を意味する最高のフェーズ6へ引き上げると宣言した。これは企業においても見過ごせない課題だ。しかも、今年の冬にはこれまで以上に感染被害が拡大する危険性があり、今からそれに備えた万全な対策を講じておく必要がある。仮に社内で感染者が広がる事態になれば、社員の自宅待機や出張の自粛、オフィスへの立ち入り禁止など、今後の企業活動に大きな制約が出ることが予想される。そこで今、リモートアクセスやコミュニケーションツールなどの事業継続ソリューションに対する注目が高まっている。その事業継続ソリューションに焦点を当て、具体的なアプリケーションや提案方法を紹介する。


社内システムへのリモートアクセス環境を構築する

 新型インフルエンザなどのパンデミックによって自宅待機を強いられたり、大地震などの災害によってオフィスまでの交通網が分断された場合でも、企業活動を休止するわけにはいかない。いざという時に備え、自宅や外出先のパソコンから社内のパソコンやサーバにリモートアクセスできる環境を構築しておけば、そうした事態にも対応することができる。そのための具体的な方法としては、社内のパソコンを社外から遠隔操作するリモートデスクトップを活用する方法と、社内のネットワークに社外からリモートアクセスするSSL-VPNアプライアンスを活用する方法がある。


会社のPCを遠隔操作するリモートデスクトップ
  リモートデスクトップとは、手元のコンピュータからネットワークで接続された他のコンピュータを遠隔操作する仕組みのことである。例えば、自宅のパソコンから会社のパソコンにインストールされているアプリケーションを起動してファイルを作成したり、社内LANに接続して会社のサーバにアクセスし、そのサーバにあるデータを編集したりすることが可能になる。まさにオフィスにいる時と同じ感覚で仕事を進めることができるのだ。
  リモートデスクトップ環境を構築する手段としては、WindowsXP ProfessionalやWindows Vista Business/Ultimateの標準機能を使う方法と、専用のアプリケーションを使う方法がある。Windowsの標準機能を使ってリモートデスクトップを実現する場合は、会社のパソコンにインターネット経由でアクセスできるようにするために、ファイアウォールなどの設定を変更しておく必要があり、セキュリティ上のリスクがともなうので十分な注意が必要だ。
 一方、リモートデスクトップ用のアプリケーションを利用する場合は、会社のパソコンと社外からアクセスするパソコンにそれぞれ専用ソフトをインストールして使うため、ファイアウォールなどの設定を変更する必要はない。そのため、面倒な作業を行わずに手軽に導入できる利点がある。特に数名から数十名規模の事業所や、企業内のマネージャーなど限られた人数の社員だけが利用したい場合には適しているといえる。具体的な商材としては、ソフトイーサの『PacketiX Desktop VPN Business』などを利用したソリューションがある。
 リモートデスクトップは、パンデミックや災害時以外でも大いに役立つ。例えば、製造業や建設業などでは、プロジェクトを遂行するために現場の事務所などへ数カ月間出向するケースがある。その際、現場のパソコンから会社にある自分のパソコン画面を操作して、オフィスにいるときと同じように仕事ができるようになる。現場のパソコンに仕事で使うソフトをインストールしておく必要がないため、ソフトウェアの導入コストを抑える効果もある。


社内LANに安全に接続できるSSL-VPNアプライアンス
  リモートデスクトップは、少人数でも手軽に導入できるのが大きな魅力だが、利用するパソコンの台数が増えると、その分、専用ソフトをインストールする作業に手間がかかり、初期コストが割高になる可能性もある。そこで、利用人数が比較的多い場合に適しているのが、インターネットに接続したパソコンから社内のネットワークに安全にアクセスする機能を提供する、SSL-VPNアプライアンスの導入である。
 SSL-VPNアプライアンスは、通信を暗号化するSSL(Secure Socket Layer)というプロトコルを用いてインターネット上に仮想回線を構築して通信内容を保護し、Webブラウザと社内LAN上のサーバ間を橋渡しする役割を果たす。サーバ側にはSSL-VPNアプライアンスを設置する必要があるが、クライアント側は、Webブラウザさえあれば利用できるため、リモートアクセスする自宅などのパソコンに専用ソフトをインストールする必要がないのだ。これは、ユーザはもちろん、システムサポートを担当する管理者にとっても大きなメリットになる。
 SSL-VPNアプライアンスは一般的に高価なため、利用人数の少ない中小企業やSOHOではリモートデスクトップを導入するよりも割高になるケースがあるが、逆に利用人数が多い場合は低コストで済むケースも多い。また最近は中小企業やSOHOをターゲットにしたコストパフォーマンスに優れた製品もリリースされている。SSL-VPNアプライアンスの主な商材としては、ジュニパーネットワークスの『Juniper Networks Secure Access』、SonicWALLの『SonicWALL SSLVPN』、アライドテレシスの『CentreCOM SSL VPN-Plus』などがある。
 当然のことながら、SSL-VPNアプライアンスは、パンデミックや災害時に限らず、日常業務においても大きな効果をもたらす。例えば、営業が主体の事業所が導入することによって、全営業マンが移動先からノートPCを使って社内のサーバにアクセスし、商品の在庫状況を確認したり、日報を作成して共有フォルダに保存したりすることで営業の生産性アップに貢献する。


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■PacketiX Desktop VPN BusinessのLAN形態による接続の場合
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■主なSSL-VPNアプライアンス製品
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■リモートデスクトップとSSL-VPNアプライアンスの主な違い
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