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巻頭特集 デスクトップ仮想化 中小企業のメリットと提案方法を探る
2011年3月時点の情報を掲載しています。

サーバの仮想化が「枯れた技術」となった今、セキュリティ対策・クライアント端末の運用管理・コスト低減の観点から、デスクトップの仮想化に注目が集まっている。デスクトップを仮想化することで、オフィスと外出先との作業継続性の実現や、スマートフォンやタブレットPCなど、シーンに適した端末からデスクトップを利用できるメリットがある。デスクトップ仮想化を実現する技術のトレンドや問題点、中小企業へ提案する際のポイントについて紹介する。



なぜ今、デスクトップ仮想化なのか
 今、デスクトップの仮想化が話題になっている。一口にデスクトップ仮想化といっても、クライアントPCの上に仮想環境を構築するタイプ(Microsoft Virtual PC、Parallels Desktop for Mac等)もあれば、サーバ上に仮想環境を構築するタイプ(XenDesktop、VMware View等)もある。が、現在注目されているのは圧倒的に後者だ。
 デスクトップ環境を丸ごとサービスとして提供するVDI(Virtual Deskto Infrastructure)や、特定アプリケーションの実行環境をストリーミングするアプリケーション仮想化など、その形態は1つではないが、クライアント環境をサーバ側で一括管理できるという点は変わらない。それにより、運用・管理コストの低減と、セキュリティやコンプライアンスの向上を狙おうというものだ。ここでは、デスクトップ仮想化について、特にサーバベースの仮想化について、その概要と注意点について紹介することにする。
 ユーザ環境を実ハードウェア上で直接実行するのではなく、仮想マシンあるいは仮想化環境で実行するというアイデアは、それほど新しいものではない。古くはメインフレームコンピューター上で実現していた技術だし、現在最も高いシェアを持つ仮想化ソフトウェアベンダであるVMwareが設立されたのも20世紀末(1998年)のことである。その仮想化、特にデスクトップの仮想化がここにきて大きな注目を集めるようになった理由には様々なことが考えられる。
 最初に挙げなければならないのは、ハードウェアの進化だ。ムーアの法則により高性能化を続けるプロセッサは、18カ月でおおむね2倍の性能を実現する。オフィスには、こうした高性能プロセッサを必要とするユーザがいる反面、定型的なアプリケーションを利用する(プロセッサ性能をあまり必要としない)ユーザも少なくない。クライアントPCという形でCPUリソースをユーザに対し均等に配分するのでは、効率的でない事例が増えてきており、仮想化によるCPUリソースのプール化が合理的だと考えられるようになりつつある。
 また、演算性能を単純に高めるだけでなく、仮想化を支援するための機能についても、近年のプロセッサは高度化を続けている。IntelやAMDは、プロセッサやチップセットに仮想化ソフトウェアを支援する命令セットや機能を追加している。こうした機能を活用することで、仮想環境における性能低下は大幅に削減された。特別な高性能を必要とするアプリケーション、高度なグラフィックスを必要とするアプリケーションでなければ、仮想環境は十分な性能を提供してくれる。
 プロセッサほどではないにしても、増大を続けているのがネットワーク帯域だ。オフィスのLANは10Mbpsから100Mbps、そして1Gbpsが主流となっている。外出先で利用するモバイルネットワークも、数Mbpsの3Gネットワークはもちろん、数10Mbpsの実行帯域が期待できる3.9G/4G技術(WiMAX、LTE)が普及しようとしている。こうした広帯域ネットワークの普及が、計算リソースのリモート化を後押ししているのは間違いない。
 さらに、ソフトウェアも確実に進歩を遂げている。特に64bit OSの登場と普及は、仮想環境をホストする際に欠かせない大容量メモリのサポートを可能にした。大容量メモリなしには、1つのシステム上で多くのユーザを収納することはできない。
 また仮想化ソフトウェアそのものも進化を続けている。プロセッサが搭載する仮想化支援機能をサポートすることはもちろん、ネットワークを効率的に利用するための通信プロトコルの改善、高度なグラフィックスの利用を可能にするデータ圧縮技術の採用、多数の仮想環境を運用管理する管理ソフトウェアの提供は、その一例だ。加えて、スマートフォンやタブレットなど、コンシューマ向けに普及が本格化したアプライアンスのサポートも、急速に進みつつある。



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■デスクトップ仮想化の方式

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Backnumber

【巻頭特集】

・仮想化 マイクロソフト クラウド IT革新のトリガーはこれだ! 【Vol.54】

・最新ITでコスト削減・ブランド力向上 中小企業の環境対策最前線 【Vol.53】

・SaaS時代の先駆者に! BP PLATINUM Type-S 【Vol.52】

・MSソリューション2010 中小企業に効く提案方法を探る 【Vol.51】



   
 
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