PCのリプレースや追加導入にタブレットを選択する企業が増えている。その理由は、省電力や省スペース性、そしてクラウドを効果的に活用できるモバイル性能など、さまざまなメリットがあるからだ。市場規模は、機器の導入と同時にOfficeソフトなどを提案できるノートPCの方が大きい。しかし、今後、普及が見込まれるタブレットは、新しい市場を形成しつつあり無視できない。そこで、ノートPCとタブレットの違いを整理しつつ、タブレット販売の課題と、パートナー様にどのようなビジネスチャンスがあるのかを模索したい。 |
モバイル端末は、画面サイズなど基本性能の違いで分類され、用途に応じて使い分けられている。例えば、ノートPCの場合、重くても高機能なA4ノートブックは、デスクトップの代替機として、軽量で持ち運びやすいモバイルPCは、移動中や外出先で使用するといった具合だ。Intelが提唱する軽くて高性能なUltrabookは、両方の用途を満たせる機器として登場し、選択を複雑にしている。見た目がカジュアルなUltrabookは、メーカー側もビジネス用途への提案方法を模索しているが、次世代CPUのIvy BridgeやWindows 8との組み合わせにより、劇的な進化が予想される。Ultrabookは、今後、爆発的に普及する可能性を秘めている。
スマートデバイスは、電話機能の有無や、画面サイズ、搭載するOSの種類などでスマートフォン、タブレット、スレートPCに分類される。新しいiPadに代表されるタブレットのスペックアップにより、こちらもスレートPCやモバイルPCと分類が難しくなってきた。例えば、デスクトップPCをノートPCに入れ替える提案であれば、同じ用途で利用でき、省電力化と省スペースに貢献するといった、分かりやすいメリットがある。しかし、営業マンに配布する情報端末として、何が最適なのかを即答することは難しい。
タブレット、スレートPCは主に、タッチ入力を行う端末であり、UltrabookやモバイルPCはキーボードでの入力が基本となる。物理的なキーボートを搭載し、エクセルやパワーポイントなどOfficeソフトをネイティブに使えるノートPCは、生産性が高い。逆に、資料の閲覧やメール対応だけならば、携帯性に優れ、初期動作の速いタブレットは快適さがある。さらにバッテリー駆動時間の長いタブレットは、節電へ貢献度も高い。
10インチサイズのタブレットは、その大きさや使用感からモバイルPCと競合するデバイスとして注目されている。タブレットは、目に見える分かりやすいメリットから、モバイルPCと置き換わるとの論調もある。しかし、今すぐモバイルノートPCがタブレットに切り替わるとは考えられない。
パートナー様にとって、Officeソフトやさまざまなソリューションと組み合わせて提案できるノートPCは、ビジネスのボリュームが大きい。Windows 7やこの秋に発売が予定されるWindows 8へのリプレース需要は大きなビジネスチャンスだからだ。
その一方で、タブレットは、新しい利用目的で、追加導入されるケースが増えている。PCでは無理だと思っていた案件や、不満がありつつもモバイルPCを利用していた案件への導入だ。
次のページでは、タブレットを提案するにあたって、注意すべき点や採用されやすい方法について紹介したい。
続き「今さら聞けないスマートデバイスは、どう提案する?」は本紙でご覧下さい。
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■iPadとKindle Fire(キンドルファイア)が好調な理由
発売開始1カ月半で、米国のAndroid搭載タブレット市場で1位のシェア獲得したKindle Fire。
スペック的には平凡な7インチタブレットがここまで躍進できたのは、原価を割るほど低価格な販売戦略とアマゾンの提供サービスに特化したタブレットだからという分析がある。一方、iPadは、新しい製品が登場し、依然タブレット市場で圧倒的なシェアを誇っている。その理由は、超高精細な表示を実現したRetinaディスプレイに代表される魅力的なスペック要素もあるが、iTunesに代表される今すぐ使えるサービスとの高い親和性が大きいとされる。
今後、ノートPCと同等のスペックになることが予想されるタブレット。パートナー様が導入提案する際、明確な利用メリットの提示が採用のポイントになるのは間違いない。
■スマートデバイス&ノートPCの特徴
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