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2014年3月時点の情報を掲載しています。
ビッグデータの分析や、基幹システムのモビリティの実現により、DC(データセンター)にハウジングするサーバ機器 が無秩序に増え続けている。そこで、これらのITコンポーネントを統合し、ビジネスの成果を実現しようとするインフラス トラクチャが登場した。
「コンバージドインフラストラクチャ」という言葉は、2009年にヒューレットパッカード(HP)が提唱した。「コンバージド」が持つ「収束」という意味通り、DC内やサーバルーム内に、無秩序に増え続けるサーバ機器、分散化していくアプリケーションなどの統合を目的としている。
サイロ化してバラバラになったITリソースは、運用・管理が大変であるがゆえに、コストがかさみ、少々のアプリケーション改修を行うにも、膨大な工数がかかってしまう。そこで、サーバ、ネットワーク機器、ストレージなどのハードウェア類、ミドルウェアやアプリケーションなどのソフトウェア類を問わず、ITコンポーネントを統合し、物理的なアーキテクチャを簡素化しようとする動きが活発になった。
例えば、DCのキャパシティに余裕がなくなった場合に、その中にある既存のリソースを、容量の大きい新しいDCへすべて移設するのではなく、ネットワークを仮想化して新規追加分のリソースのみを新しいDCに設置する方法がある。この場合は、ネットワーク仮想化により、複数の拠点に散らばるサーバ類を"統合"し、スケーラビリティを拡大したことになる。さらにこれらの統合は、一つのベンダー製品を使って統合するだけではあまり意味がない。運用サービスや、その時点での最新テクノロジ、ビジネスモデルなどを考慮して、最適な製品・サービスを選択しなければ、コンバージドインフラストラクチャを構築したとはいえない。企業にとってみれば、一つのITベンダーに、ASPサービスとしてインフラストラクチャからアプリケーションまで面倒見てもらえるのが一番効率のよいシステムの管理方法となる。しかしながら、新たなサービス導入を行ないたいときに、コストも時間もかかってしまうのは昔から変わらない問題点である。したがって、企業の情報システム部門が、コンバージドインフラストラクチャの構築を一括で請負ITベンダーと契約し、業務部門が求める要件を最適化するのはもちろん、スケーラビリティや、運用管理コスト、人月工数などを極小化できる体制構築のための、製品選定、運用ベンダー選定を行う必要がある。
機器の選定は、単純な垂直統合を目的として一つのベンダーで固めてしまうのではなく、水平展開を考え、例えば複数ミドルウェアが共存できるような、ハードウェア製品を選定したり、複数のミドルウェア製品の運用監視ができる監視ツールを選定するなど、インフラストラクチャを統合することを動機づけて行う必要があるのだ。
具体例としては、基幹システムのDBはOracle、社内向けのデータ分析システムには、SQL Serverを選定してもよいように、ハードウェアを選定する。そうなると、OSは当然、LinuxとWindowsの混在環境になる。そこで、ハイパーバイザーを一つのITベンダー製品に統合して効率化を計ろうとするものの、OSの特性を考えれば、複数のハイパーバイザーを使った方が運用を効率よくできるかもしれない。そんなときは、複数のハイパーバイザーのファイル形式に対応できるコンバーターの導入を行い、互いに補完できるようにして、ハイパーバイザーを統合すればよい。
コンバージドインフラストラクチャには、ITリソースの収束を目的とするが、一つのベンダーにこだわった垂直統合的な意味合いはない。むしろ複数のITリソースをいかに結び付けて収束させるかを命題にして構築されたインフラストラクチャのことを表している。
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