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2016年11月時点の情報を掲載しています。
レノボ・ジャパンから登場した「YOGA BOOK」は、YOGAスタイルなどと呼ばれる360度回転ヒンジを備えた2-in-1PCだが、通常の物理的なキーボードの代わりにクリエイトパッドと呼ばれるフラットなパッドを採用していることが特徴だ。物理キーボードは、キーストロークの確保のためにある程度の厚さが必要になるが、YOGA BOOKのクリエイトパッド部の厚さはわずか約5.55mmしかない。ディスプレイ部の厚さも約4.05mmと薄く、閉じた状態でも厚さは9.6mmしかない。また、本体重量も約690gと非常に軽く、10.1型ディスプレイ搭載2-in-1 PCとして世界最薄最軽量を誇る。Android搭載モデルとWindows 10搭載モデルがあり、それぞれLTE対応モデルとWi-Fiモデルが用意されているので、合計4モデルとなる。
YOGA BOOKに搭載されたクリエイトパッドは、タッチキーボードとワコム社の手書き技術「feelI T technologies」対応デジタイザの2つの機能を備えており、右上のボタンにタッチすることで、キーボードモードとデジタイザモードの切り替えが可能だ。キーボードモード時は、パッドの任意の場所に触れるだけで、キーボードの枠や文字が浮き出すように光って表示される。このタッチキーボードは、Haloキーボードと呼ばれており、表示されるキートップの位置自体は固定だが、タイピングのくせを学習し、キー検知エリアをリアルタイムに調整する機能を備えている。Haloキーボードは、タブレットなどのディスプレイに表示される仮想キーボードと同じく、触れるだけで入力が行われ、キーを押し込むことはできない。その代わり、キーにタッチするとキーボード全体が振動する触感フィードバック機能を備えているため、キーを入力したかどうかが分かりやすく、一般的な仮想キーボードに比べると入力効率は高い。専用メモパッド「BOOK Pad」とリアルペンが付属し、手書き入力が可能なこともセールスポイントだ。リアルペンは、2,048段階の筆圧検知に対応するほか、ペン先をボールペンに換えることができ、クリエイトパッドの上にBOOK Padを載せて使うことで、メモパッドにボールペンでメモを取るのと同時に、その手書き文字やイラストなどをデジタルデータとしてYOGA BOOKに取り込むことができる。
ディスプレイ部とクリエイトパッド部を繋ぐヒンジには、独自のウォッチバンドヒンジが採用されており、360度任意の角度で固定可能である。用途に応じて、クラムシェルノートPCのように使う「タイプモード」、液晶を300度以上開いてヒンジを上にして置いて使う「ウォッチモード」、液晶を360度開いて反対側まで折り返して使う「ブラウザモード」、リアルペンで手書き入力を行う「クリエイトモード」の4つのモードを使い分けられることもYOGA BOOKの魅力だ。
YOGA BOOKは、従来の物理キーボードを備えた2-in-1PCとSurfaceのようなタブレットタイプの製品の中間に位置し、2-in-1 PCの新たなスタイルを提案する革新的な製品といえる。LTE対応モデルなら、いつでもどこでもインターネットに接続できるので、外回りの多い営業職などにも向いている。希望小売価格もWindows 10搭載モデルで5万円台とリーズナブルであり、ピュアタブレットでは文章入力に難があるが、高価な2-in-1 PCを導入するのは予算的に厳しいといった要望にも応えてくれる。CPUとしてAtomを搭載しているため、Core MやCore iを搭載した2-in-1PCに比べると基本性能は見劣りするが、セカンドマシンとして使うには十分な性能であり、さまざまなビジネスシーンで活躍するだろう。
text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話など のモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。
レノボ・ジャパンの「YOGA BOOK」。360度回転ヒンジを搭載し、4つのモードで利用できる。
クリエイトパッドに付属のBOOK Padを載せて、リアルペンのペン先をボールペンに換えれば、手書きメモを取るのと同時に、そのデータがYOGA BOOKに取り込まれる。
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