2017年のIT投資を振り返ると「働き方改革」「AI」「IoT」「VR、AR、MR」といったキーワードが注目を集めるものの、パートナー様の具体的なビジネスにどのように結びつくのかが不明瞭だった。2018年は、PC・サーバーを中心とする物販を取りこぼさず、注目のキーワードをどのようにパートナー様のビジネスへとつなげるのかが飛躍へのカギとなりそうだ。 |
まずは2017年のオフィスIT市場の動向を振り返ると共に、今年注目したいポイントを整理しておこう。
PC・サーバーでは、クライアントはノートPCを中心に順調に推移した一方、サーバーはクラウド移行の影響もあり、小型製品を中心として販売台数の減少が目立った1年だった。タブレットは好調が続き、昨年はマイクロソフトSurfaceやメーカー各社のWindows 10タブレットのオフィスへの浸透が売上をけん引。2018年は初期導入のタブレットが入れ替え時期を迎えるが、Windows 10タブレットへの移行も少なくないとみられる。
またWindows 7のサポート終了が2020年1月に迫ったことでWindows 10への移行が本格化すると共に、10月に予定されるメーカー各社のWindows 7搭載PC最終出荷によるクライアント特需も期待できる。
次に周辺機器に目を向けると、2017年はサーバーやデスクトップPCの販売減少に伴う、ハードディスクや拡張ボード(メモリ)の売上の落ち込みが目立つ1年だった。一方でディスプレイの売上が確実に伸長している点は注目に値する。その背後には、新規クライアント導入の中軸がノートPCへと移行したことに伴う、ノートPC+ディスプレイ利用の一般化がある。Surfaceなど、従来のタブレットとPCの機能を併せ持つ2in1ノートPCの浸透に伴い、今年もこの傾向は続くだろう。さらに2年後の東京五輪を視野に入れた中・大型デジタルサイネージの新規需要に加え、オフィスにおけるIoTやAR、VR、MRの普及の本格化も見込まれる。
ソフトは、マイクロソフトOffice 365、アドビCreative Cloudに代表されるサブスクリプション方式への移行がさらに進んだ1年だった。その傾向が今年も継続することは間違いない。サブスクリプションビジネスのスムーズな導入を実現するうえでは、大塚商会が提供を開始したコマースサイト「くらうどーる」の活用も積極的に検討したい。今年、同分野でまず注目したいのは、働き方改革に求められる生産性向上に資する商材である。昨年から続く流れになるが、具体的にはOffice 365に代表される、従業員間のコミュニケーション効率化・最適化という課題が重要なキーワードになるだろう。また2017年は、5月にランサムウェアWannaCryが猛威をふるうなど、セキュリティに関する課題が改めて注目された1年だった。東京五輪をターゲットにしたサイバー攻撃の拡大が予想される中、攻撃の踏み台としての利用阻止という観点から、セキュリティ対策に改めて目を向ける中小企業も少なくないとみられる。
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