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2006年5月時点の情報を掲載しています。
個人情報保護法が完全施行されてから1年が経過した。しかし、スパイウェアをはじめとする新種のコンピュータウイルスが急増し、ウイルス感染したWinny使用による情報漏えいの事故、事件が続発している。そのため、企業の情報管理に対して社会から厳しい目が向けられている。さらに、日本版SOX法の施行が間近に迫り、適切な情報管理に基づいた内部統制の仕組みを早急に整備することが企業には求められている。この時期、企業は情報管理にどのように取り組むべきなのか。経済産業省の「企業における情報セキュリティガバナンスのあり方に対する研究会 報告書」における情報セキュリティ対策ベンチマークを参考にしながら、企業が取り組むべき情報管理のポイントをまとめた。
今やわれわれの経済活動や社会生活はITによって支えられているといっても過言ではない。しかし、電子化された情報の流通によって利便性が高まる一方で、個人情報の漏えいなどによる社会的な弊害も出できた。そのため、情報管理に関する法制化が進み、各企業は法令を遵守した適切な情報管理を行うことが、社会的信用力を高める時代となっている。
現在、わが国では、e-Japan戦略に基づく世界最高水準のIT社会が実現しつつあり、ITの活用がビジネスの効率化・高付加価値化をもたらしている。たとえば、2005年4月から施行されたe-文書法では、これまで紙媒体での保存を義務付けていた帳票類について、一部の例外を除いて電子文書による保存を認めている。これにより、民間企業における帳票類の印字・流通・保存にかかるコストが大幅に削減され、企業間商取引の電子化がより一層推進されるようになった。
ところが、情報が電子化されたことによって、新たな問題も出てきた。すなわち、インターネットや外部メディアを使って情報の流通が可能になったことから、コンピュータウイルスの感染拡大、機密情報の流出といった新しいタイプのリスクが顕在化してきた。そのため、情報管理を適切に推進することが必要不可欠になっている。しかも、各事業者から盗み出された個人情報が売買されるようになり、その情報が詐欺事件などに悪用されるケースが急増してきた。その結果、不正アクセス禁止法や個人情報保護法などが新たに法制化されるに至った。個人情報保護法では、各事業所に個人情報の安全管理に対する監督責任が義務付けられ、個人情報を適切に取り扱っていない事業者には厳しい罰則が科せられる。さらに日本版SOX法では、2009年3月期の決算報告から内部統制報告書の作成が義務付けられるようになり、内部統制が有効に機能しているか評価するために、基幹系データベースのアクセスログの収集などが求められている。また、ISMS(註)やプライバシーマークなど、社会的ベンチマークとしての情報管理の認証制度も浸透してきた。その結果、法律や国際基準に準拠した適切な情報管理を行っていない事業所は、社会的な信用を得ることが難しくなってきた。そのため、企業内における情報管理の重要性がますます高まっている。
注)Information Security Management System=情報セキュリティマネジメントシステム
このように今や情報管理の必要性は、わが国の企業においても共通認識となりつつある。しかし、その実態は、コンピュータウイルス対策ソフトやファイアウォールといった製品の導入による対策が中心であり、セキュリティポリシーの策定やアクセスログの取得・解析といった社内組織的な対策は十分に行われていない状況にある。特に中堅・中小企業では、専任のシステム管理者が不在のケースが多く、情報管理が徹底しづらい状況にある。さらに昨今では、会社が支給したノートPCを自宅に持ち帰ったり、個人用のノートPCを会社に持ち込んで仕事をするケースが増えており、組織的な情報管理がますます難しくなっている。
しかし、今や企業が適切な情報管理を行うことは社会的な責務でもある。むしろ、法令遵守の情報管理が求められる時代だからこそ、組織的な情報管理を積極的に行うことによって、顧客や取引先からの信頼度アップにつながるのだ。その意味では、情報管理の徹底は、社会的な信頼や信用を高める絶好のチャンスでもある。
続きは本紙でご覧下さい。
■情報管理社会の進展
2000年以降、情報処理・管理に関する制度や法制化が進んでいる。IT機器を利用した業務効率化が進めば、ますます情報管理の重要性と整備の必要性は高まる。
【巻頭特集】
・今から備える日本版SOX法対策 ITコンプライアンスとガバナンスで業務の「透明性」と「効率性」を実現する 【Vol.25】
・ILMに学ぶ 情報のコンテンツ管理を強化して、内部統治力を高める【Vol.24】
・ネットワークの再編とコスト削減をかなえるワイヤレスLANで実現するオフィス環境の革新 【Vol.23】
・システムにあわせた適切なデータ管理を実現大容量データ時代の今こそ!「ストレージの最適化」でコスト削減 【Vol.22】
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