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2006年9月時点の情報を掲載しています。
先日、Web 2.0を話題に仲間と話す機会がありました。8ビットパソコン時代から交際してきましたから、遠慮などというものがありません。「Web 2.0なんて名前だから、これまでのWWWの規格が新しくなったものと誤解している人が、案外多いんだよね」
「自分も聞かれたナ。Web 2.0ってどんな規格なのって」
Web 2.0については、Tim O'reilly氏の論文「What is Web 2.0」(http://www.oreillynet.com/pub/a/oreilly/tim/
news/2005/09/30/what-is-web-20.html)を一読されることを推奨します。同著でも触れられていますが、既存のWWWサービスや利用者体験を踏まえた、新しいウェブの概念がWeb 2.0です。
「ネットで検索するとWeb 2.0に関する資料が山のように出てくるんだよね」
「書店でも同じだよ。IT業界は流行するキーワードに、今までも、これからも飛びついていくんだろうナ」
これら書籍はコンテンツ提供方法に関する視点から述べているもの、テクノロジーにフォーカスしたもの、サービスから考察したものなどが見かけられます。Web 2.0の活用範囲の広さを示唆した結果だと思います。
「これからはWeb 2.0って、どんな方向に動いていくのかね?」。「既存Webは、利用者主体の情報整理という点から考えると、著名な検索サイトが整理した情報ディレクトリに依存してきたわけだ。何かのキーワードを検索しても、検索サイトの配列に依存することに変わりはないんだね」
Web 2.0の考え方では、利用者は、検索サイトの枠組みから外れた、つまり、利用者が情報を任意に配置することができます。「画像を共有するサービスのFlickrや、ソーシャルブックマークのはてなブックマークあたりの考え方だよナ」
「今までのWebは、HTMLやCGIなどを利用してサービスを提供してきたわけだ。もちろん例外もあるけど、Web 2.0では、Ajax、DHTML、Greasemonkeyなどの技術を応用してサービスを構築する。結果的にリッチユーザ体験を提供できるようになるね」
「ああ、GoogleMapやGoogle Suggest、Gmailあたりの考え方でしょ。地図情報とビジネスをコラボレーションしたサービスもあるナ」
既存Webは、情報提供者の一方的なサービスでした。Web 2.0では、利用者によるレビューや評価がコンテンツの構築に貢献します。利用者が知的応用性を拡大させると指摘できるでしょう。サービスに利用者の知力が蓄積され、サービスがより向上するサイクルができるのです。「今後は、Amazonのレビュー、GoogleのPageRankみたいなサービスが、消費者の購入判断材料になっていくだろうね」
マーケティングの法則に「2:8の法則」があります。「2割の商品が売上の8割を稼ぐ」といった考え方です。Web 2.0では、これまで軽視されてきた8割の商品や顧客に向けたサービスやビジネスも成立します。
「広告業界は大手企業を顧客にしてきたけど、今後は8割側にいる個人の囲い込みが可能になるから、Google AdSenseみたいなニッチ広告が注目されそうだナ」「情報提供側と提供を受ける側の壁が薄くなるから、開発やコンテンツ制作に消費者が積極的に関わるようになるナ」
ブログ、mixiなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を連想された読者は多いのではないでしょうか? 既存Webは、コンテンツは著作権、テクノロジーは特許により知財管理されてきました。Web 2.0は、情報を享受する側と知自体を共有するようになるのです。
「Wikipediaやオープンソースなどが発展するのは知の共有コミューンによるんだね」
ファイル共有ソフトやWebサービスなどを思い浮かべる読者もいるかと思います。Web 2.0時代のビジネスでは、迅速な判断を実行できる組織が必須です。体制作りはできていますか?
島川 言成
パソコン黎明期から秋葉原有名店のパソコン売場でマネージャを勤め、その後ライターに。IT関連書籍多数。日本経済新聞社では「アキハバラ文学」創生者のひとりとして紹介される。国内の機械翻訳ソフトベンチャー企業、外資系音声認識関連ベンチャー企業のコーポレート・マーケティング部長を歴任。現在、日経BP社運営のビジネスサイト「日経SmallBiz」でIT業界の現状分析とユニークな提案をするコラムを連載中。PC月刊誌「日経ベストPC」では秋葉原のマーケティング状況をリポート。また、セキュリティ関連ベンチャー企業のマーケティング部門取締役、ゲームクリエーター養成専門学校でエンターテインメント業界のマーケティング講座も担当。
【コラム】「売れるショップに売れる人」
・第8回 ある企業のロゴからでてきた仮説 【Vol.27】
・第7回 現代に通じる近江商人の心意気 【Vol.26】
・第6回 業務フローを共有できる組織作りが大切 【Vol.25】
・第5回 オリジナルのランチェスター戦略の構築を 【Vol.24】
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