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2007年3月時点の情報を掲載しています。
最近、コミュニケーション能力と論理的思考能力を人材採用の要点とする企業が増えています。グローバル化しているビジネスの世界では、インターネットなどで氾濫している情報のなかから、情報の真偽を判断できる能力は不可欠です。情報の評価・判断及び取捨選択をすることと、情報の意味と内容を理解して、自分の見解を発表できなければなりません。コミュニケーション能力と論理的思考能力があれば、情報を的確に分析でき、ビジネスにとって有益な提案もできる人材と推察できるわけですね。
なるほど理にかなっています。が、筆者はここで新たな問題を見出してしまいました。コミュニケーション能力と論理的思考能力のどちらに重きがあるのでしょうか?また、それをどうやって判断すべきなのでしょうか?複数の求人サイトで、キーワードを使ってどのような人材を求めているのか探ってみました。括弧内は一部引用とお断りしておきます。
まずはコミュニケーション能力から。
「広範囲な知識と、コミュニケーション能力でお客様と向き合っていく」「海外スタッフと連絡を取り合うため、英語でのコミュニケーション必須」「お客様を自らの足と知恵で探し、コミュニケーションをとりながら」「クライアントのコミュニケーション課題解決に向けた提案業務」。
次は論理的思考能力についてです。
「直接顧客と向き合った、技術力、論理的思考、問題解決力をベースとしたコンサルティング」「研修制度も論理的な研修プログラムで指導」「論理的思考力、思考の深さ、視野の広さをお持ち」「自分の言いたいことを論理的思考で相手にきちんと伝えられる」。
いかがでしょうか?筆者の感想では、コミュニケーション能力とは「人と接する際の能力」、論理的思考能力とは「人に最適な説明ができる能力」と言い換えられそうです。ビジネスの世界では、上司・同僚・部下および顧客・見込客、さらに取引先などとの折衝がついてまわります。また、組織内では質疑応答を繰り返しながら情報を共有し、スタッフの行動規範を醸成するものです。そうしたなかから所属する組織に見合った「人と接する際の能力」や「人に最適な説明ができる能力」が形成されていくことでしょう。
筆者は専門学校で「文章力養成ゼミ」という講義をもっています。こうしたゼミを受けようとする学生たちは、他の人よりも文章を書く自信があります。コミュニケーション能力を発揮する学生は、「最新読んだライトノベルで面白かったのは・・・」と情報交換に積極的ですし、論理的思考能力を持つ学生は「起承転結、序破急、5W1Hのストーリー構成についてですが・・・」といった質問をしてきます。これから新入社員を迎える企業にも、大別して2つのタイプの新卒者が入ってくるのではないかと思います。筆者の場合、学生が積極的態度を示しているのだからと、質疑応答および説明は懇切丁寧にするよう努めています。努めてはいますが、白状しますと、相手が理解できたのかどうか自信はありません。原因は筆者の説明か相手の知識不足のどちらかにあります。ここではどちらだと結論することはご勘弁してください。
ただし、長年、文章を書くことで生計を立ててきた経験者としての、決め台詞だけは忘れません。
「皆さん、名文を書こうと思わないでください。名文は社会や時代を背景にした偶然からしか生まれません。それよりも、短編でも長編でも結構ですから、途中で放棄せずに最後まで文章を書いてください。最後まで文章を書いた数が、皆さんが文章を書く能力を向上させます」。表現方法は違うでしょうが、同様な意味を伝えようとされるビジネス戦士が数多くいると思っています。
島川 言成
パソコン黎明期から秋葉原有名店のパソコン売場でマネージャを勤め、その後ライターに。IT関連書籍多数。日本経済新聞社では「アキハバラ文学」創生者のひとりとして紹介される。国内の機械翻訳ソフトベンチャー企業、外資系音声認識関連ベンチャー企業のコーポレート・マーケティング部長を歴任。現在、日経BP社運営のビジネスサイト「日経SmallBiz」でIT業界の現状分析とユニークな提案をするコラムを連載中。PC月刊誌「日経ベストPC」では秋葉原のマーケティング状況をリポート。また、セキュリティ関連ベンチャー企業のマーケティング部門取締役、ゲームクリエーター養成専門学校でエンターテインメント業界のマーケティング講座も担当。
【コラム】「売れるショップに売れる人」
・第11回 「内部統制」の本質を古典から考えた 【Vol.30】
・第10回 接客応対に"絶対"はないと知ろう 【Vol.29】
・第9回 Web 2.0ビジネスで仲間と盛り上がる 【Vol.28】
・第8回 ある企業のロゴからでてきた仮説 【Vol.27】
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