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| 2008年11月時点の情報を掲載しています。
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 「婚礼打合せシステム」導入に関するコンサルティングをした時のことです。このシステムは、結婚式場と新郎･新婦の婚礼準備の打合せをインターネット上で行うものです。仕事等を抱える多忙な新郎･新婦に非常に評判が良く、婚礼の成約件数が増加、婚礼の単価増による売上げアップが期待できるなどのメリットを導入先企業にもたらすものでした。 システム導入に関する打合せは、経営トップであるホテルの総支配人などが、このシステムに関心を持つところから始まります。当然、経営トップの導入目的の多くは、収益アップや、人件費等の削減です。 次の段階は、経営トップが婚礼現場のマネージャーなど現場の担当者を紹介し、このメンバーとSI'rが打合わせを行うことになります。この段階でよく打合せがスムーズに進まないことがあります。原因を追究してみますと、経営者と現場の担当者の間でシステムに関する導入目的や狙いに微妙なズレが生じたため、SI'r側はシステムの要件を絞ることができず、担当者にシステム要件を明確に提示することができなかったことが原因と判明しました。これは、時には担当者に不信感を持たれる要因にもなり、最悪の場合には、担当者に「コンサルタントが経営者に取り入って、必要のないシステムを押し付けようとしているのではないか」という印象を持たれることも稀ではありません。 この一因は、顧客サイドの意思統一が不十分によるもので、経営者とSI'r、現場の担当者とSI'rという打合せだけでは、顧客側の意思の統一が不足するからです。 そこで、われわれは２〜３回目の早い段階の打合せで、経営トップと現場の担当者が同席する場を用意します。ここでは、われわれコンサルタントが導入のメリットを経営的観点と、現場サイドでの業務の効率化や顧客満足度の向上という観点等から説明します。 その上で、導入しようとするシステムに経営者は何を期待しているのか、意気込みはどうなのかを説明してもらいます。スタート時にこうしたプロセスを踏むことにより、現場の担当者と経営者がシステム導入の意義と価値を共有できますので、システム構築するための土台ができあがります。 経営者によっては、ITに関することは現場に丸投げで、現場の担当者を紹介して、すべて任せようとする方もいますが、無理を言ってでも、２〜３回目の打合わせにも参加してもらい、経営者の狙いを説明してもらっています。 ちょっとした工夫ですが、このことにより顧客サイドとの意思の疎通がスムーズになり、打合わせや進行上で無用な混乱を避けることができます。 社団法人中小企業診断協会IT利活用研究会所属 株式会社アイジーティビィテクノロジー 代表取締役 伊澤 清吏 |
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