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| 2009年1月時点の情報を掲載しています。
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 既存のシステムをリプレイスしたり、新規にITを導入する目的は、業務の効率化や売上・利益を伸ばすためが多いものです。しかし、当初の目論見に反し目的を達成できないケースが多々あります。 例えば、A社では顧客別に受注動向、問合せ内容等を関連付けることで機会損失を抑えようと、顧客データベースを導入しました。新システムの導入時に、関連部署の組織変更やスタッフへの教育を行った結果、導入時に予定していた「スタッフが新システムをある程度使えるようにする」という成果は上げることができました。しかし、本来の目的である「1年以上の継続使用後に機会損失を導入以前よりも抑える」ことは達成できませんでした。それどころか運用スタッフは、新システムを運用することが「目的」となってしまい、本来の目的である「機会損失の低減」の達成が忘れられ困難となりました。 次に、教育事業を行うB校ではグループ校全体の経営資源を有効活用して業務を効率化することを目的に、ERPパッケージを導入しました。 しかし、現場ではERPパッケージの利用はできましたが、活用の仕方を誰もしっかりと理解できておらず「経営資源の有効活用と業務の効率化」という本来の導入目的が達成できませんでした。 上記二つのケースは、同じ理由で「本来の目的」を達成できませんでした。それは「運用スタッフの育成」です。運用スタッフにとって、システムのスムーズな導入や安定稼動は達成しなければならない重要な使命です。しかし、いつの間にか運用すること自体が目的にすりかわり、本来の目的を達成できない場合が多いのです。 新しいシステムを導入し、本来の目的である業務の効率化、増収・増益を達成するためには、運用スタッフがその目的を理解し、目的達成レベルでシステムを運用できる知識とスキルが必要です。さもないとシステムが安定的に稼動するようになっても、本来の目的を達成できない状態が続きます。そうなると、システム導入を決断した責任者は、システム自体が導入目的を達成できないものであったという認識を持つようになり、その不満はSIなどシステム提供元や、導入に関わったコンサルタントに向けられてしまいます。 システム提案側はスムーズな導入に尽力すると同時に、事前に運用スタッフの知識とスキルを把握して導入後のスタッフの配置や必要に応じた教育プランなどを関連する経費として予算化する提案をしておくことが重要です。 文責：小松和弘 |
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