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| 2012年5月時点の情報を掲載しています。
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 昨夏は、東日本大震災に伴う福島第一原発の事故により、関東地方や東北地方では電力需給が逼迫し、工場などの電力の大口使用者はもちろん、企業や家庭においてもピーク時に15％の節電が要請された。電力消費のピークをずらすために休日をシフトするなど、産業界挙げての努力でなんとか乗り切った。今年は、5月には日本のすべての原発が停止するため、今夏も昨年と同等、あるいはそれ以上の節電が求められることになるだろう。そこで、PCの節電テクノロジのトレンドを解説する。 PCの節電テクノロジとしてまず挙げられるのが、「ピークシフト機能」だ。夏期の電力需要のピークは気温が上昇する午後1時から午後4時頃である。ピークシフトとは、その電力需要のピークとなる昼間はACからの電源供給をカットし、バッテリー動作に切り替えることでピークを下げ、深夜など電力供給に余力のある時間帯にバッテリーの充電を行うことで、電力使用量を平準化する技術だ。レノボの前身である日本IBMは、ピークシフト機能の開発に古くから取り組んでおり、2002年にThinkPad R31用のピークシフトコントロールプログラムを開発し、導入を希望する企業を対象に配布していた。しかし、当時はピークシフトに対する理解が今ほど進んでなく、バッテリー駆動時間自体も短かったので、標準機能としては搭載されなかった。昨年の大震災を受け、レノボは他社に先駆けていち早くピークシフト機能を搭載したのも、そうした背景があったからだ。昨年夏は、NECや富士通などのメーカーもピークシフト機能設定ツールの提供を行っており、電力使用量の平準化に貢献した。なお、バッテリー動作に切り替えるピークシフト機能は、基本的にバッテリーを搭載しているノートPCでしか利用できないが、デスクトップPCでも電力需要のピーク時に電源モードを省電力モードに切り替えることで、消費電力を減らすことが可能だ。ただし、こうしたピークシフト機能は、出荷時の状態では無効となっているので、IT管理者や利用者が、その使用状況に応じて適切に設定することが重要だ。ピークシフト対応機種が増え、利用者の理解も進んだことにより、今夏は昨年以上の効果が期待できる。 また、プロセスルールやアーキテクチャの進化によって、CPUの電力効率は年々向上しており、最新のPCの平均消費電力は数年前の半分以下になっていることも多い。デスクトップPC＋液晶ディスプレイという組み合わせを、ノートPCあるいは液晶一体型PCに変えることでも、消費電力を大きく削減できる。最近では、人感センサを搭載し、使用者が離席すると、ディスプレイの電源を自動的に切り、再び使用者がPCの前に座ると電源を入れることが可能なノートPCも登場している。Windows XP搭載PCを使っているのなら、最新のWindows 7搭載PCにリプレイスすることで、業務がより快適に行えるだけでなく、節電にもなるのだ。インテルの最新CPUである第3世代Core iシリーズは、電力効率がさらに向上しており、より環境に優しい。オフィスのPCの更新を検討しているのなら、今が絶好のチャンスだ。また、すべてをノートPCでこなすのではなく、出張や外回りの際など、メール送受信やブラウズが中心なら、ノートPCの代わりにAndroidタブレットやスマートフォンなどを利用することも、節電に貢献する。節電テクノロジはもちろん重要だが、それ以上に大切なのは、利用者一人一人の節電に対する意識だ。今夏も電力需給が厳しくなりそうだが、社会一丸となって節電意識を高めることで、きっと乗り切ることができるだろう。
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 離席センサ(人感センサ)を搭載したNECのビジネス向けノートPC「VersaPro タイプVD」。使用者の在席/離席を関知してディスプレイの電源を制御可能。 |
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