それぞれの消費電力を比較すると、VAIO Pro 13の最大時の数値は、旧機種を上回っているが、通常動作時とスリープ時の消費電力は抑えられている。そして、注目すべきは、バッテリーの駆動時間だ。VAIO Tシリーズと比べて、約4時間から約5.5時間も駆動時間が伸びている。実際にバッテリーだけで最大13時間もの駆動が実現するのであれば、日中の業務時間は充電の必要がなくなる。例えば、夜、安価な電力で充電し、日中はバッテリー駆動で使うといった節電に貢献できそうだ。また、スリープ状態の消費電力を、CPUの性能指標の一つである複合理論性能(MTOPS)で割ることで求められるエネルギー消費効率の数値でも、明らかにVAIO Pro 13のほうが優秀だ。
次にHaswel lは、内蔵されたGPUの性能が大幅にアップしている。このGPUは、3Dの描画速度を向上させるチップで、ビジネス用途では、3Dグラフィックで処理が重くなりがちな3Dモデリングや、アニメーションなどを多用するCADやプレゼンテーションツールなどで威力を発揮する。更に高いグラフィック性能向上を目的とするなら
「Intel HD Graphics」を搭載した製品ではなく、「Iris Pro Graphics」を選択すべき点に注意したい。この「Intel Iris Pro Graphics」と呼ばれるハイエンド統合型GPUは、Geforece GT640(NIVIDA)に匹敵する処理能力を発揮する。ちなみに最大時の消費電力が大きくなっているのは、高性能なGPUが電力を消費しているためだ。
このようなHaswellの特徴は、デスクトップPCでも「節電効果が期待できる」「CADなどで業務効率を高められる」というメリットではあるが、より恩恵を受けるのが、ノートPC、Ultrabook、タブレット端末だ。なぜなら、モバイルというバッテリー駆動の必要性、そして、軽量化や形状の変化という見た目の魅力へとつなげられるのである。
次ページでは、本当にカタログスペックのような性能の向上が実現しているのかを実機を使用して検証してみたい。