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2018年5月時点の情報を掲載しています。
Intelは2018 年4月3日、「Core i9-8950HK」を頂点とするノートPC向け第8世代Core iプロセッサ11製品を発表した。この第8世代Core iプロセッサは、開発コードネーム「Coffee Lake」と呼ばれていた製品であり、Intel最新の14nm++プロセスで製造される。従来の第7世代Core iプロセッサでは、ノートPC向け製品は最大4コアまでしか用意されていなかったが、第8世代Core iプロセッサでは、「Core i9-8950HK」「Core i7-8850H」「Core i7-8750H」および「X e o n E -2186M」「Xeon E-2176M」の5製品が6コアとなる。従来と同じく、1つのコアで2つのスレッドを同時に実行できるHyper-Threadingテクノロジーを搭載しているため、これらの製品では最大12スレッドを同時実行できることになる。下位モデルとして、4コア/8スレッドの「Core i5-8400H」と「Core i5-8300H」も用意されている。
最上位のCore i9-8950HKは、ベースクロック2.9GHzだが、最大4.8GHzまでクロックが向上する。これは、自動オーバークロック機能のTurbo Boostテクノロジー2.0と新機能である「Thermal Velocity Boost」技術との合わせ技で実現したものだという。Thermal Velocity Boostは、温度と電力に余力がある場合、クロックを200MHz引き上げるという機能だ。また、型番末尾の「K」は、クロック倍率がアンロックされていることを表しており、ユーザーによるクロック倍率変更やオーバークロック動作も可能だ。
Intelの発表によれば、Core i9-8950HKは、既存の第7世代Core iと比較して、4Kビデオ編集では最大59%高速であり、ゲームでは最大41%のフレームレート向上を実現、トータルでも最大29%の性能向上を実現しているとのことだ。TDPは従来と同じく45Wであり、従来の冷却機構をそのまま利用できる。また、今回発表された第8世代Core iは、チップセットとして「Intel 300」シリーズを利用する。Intel 300シリーズでは、無線LANチップ「Intel Wireless-AC」を統合するほか、10GbpsのUSB 3.1 Gen2への対応が図られている。さらに、Intelが開発した高速不揮発メモリ「OPTANEメモリ」をサポートしており、2018年後半にはOPTANEメモリを搭載したノートP Cが登場する見込みだ。OPTANEメモリをSSDやHDDのバッファとして使うことで、さらなる性能向上が期待できる。また、メインストリームP C向け低電圧版CPUのUシリーズでは、一足先に第8世代Core iプロセッサが投入されていたのだが、そちらにも128MBのeDRAMを搭載し、グラフィックス性能が強化された「Core i7-8559U」「Core i5-8269U」「Core i5-8259U」「Core i3-8109U」の4製品が追加された。
第8世代Core iプロセッサの登場により、高性能ノートP Cやモバイルワークステーション、モバイルノートPCの性能が一段と向上することが期待される。特に、4Kビデオ編集やシミュレーションなど高い処理性能が要求される業務では、6コアの第8世代Core iプロセッサ搭載ノートPCを導入することで、作業効率が向上するだろう。すでに、ASUS、GIGABYTE、MSIなどの海外PCメーカーからCore i9-8950HKを初めとする第8世代Core iプロセッサを搭載した高性能ノートPCが発表されており、今夏には国内PCメーカーからも搭載製品が登場する見込みだ。
text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話など のモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。
第8世代Core iプロセッサの詳細は、Webで確認できる。
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