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巻頭特集 Windows 7のサポート終了まで1年半 商機をフルに生かすOS移行提案
2018年5月時点の情報を掲載しています。

Windows 7は、ビジネスのIT活用において、今なお多大な貢献をしてくれています。しかし、そのシステムデザインは老朽化し、現在のサービスを提供するにあたり、限界が見えています。パートナー様は、エンドユーザー様の業務効率を高め、あらゆるリスクを回避するための提案が必要不可欠です。日々の業務が忙しく、Windows 7のサポート終了に気が付いていないエンドユーザー様、さまざまな理由により、Windows 7を使い続けるという判断をされたエンドユーザー様。今回の特集では、Windowsのマイグレーションの際に、パートナー様に有益な情報を紹介します。


遅れが目立つWindows 7 EoS商戦革新的な新OSへの理解を得ることが大切に
Windows 7 EoSが1年半後に迫っている。その一方で、Windows 10移行に不安を持つエンドユーザー様は今も少なくなく、移行の遅れが目立つのが実情だ。まずは移行提案における課題を整理しておきたい。


Windows 7を使い続けるもう一つの落とし穴に注意
 Windows 7のサポート終了(以下、EoS「End Of Support / End Of Service」)が迫っている。2020年1月14日のEoSまで残された時間は約1年半。Windows XP EoSでは、特需が業界を潤した一方、翌年以降の売上の落ち込みという形でその反動が表れた。エンドユーザー様の認識不足もあり、既存IT予算でOS移行を行わざるを得なかったことをその理由として挙げる声も多い。Windows XP EoSに匹敵する商機が訪れると見られるだけに、混乱なく、スムーズにEoSビジネスを展開するには、現段階からの積極的な働きかけが重要になるだろう。
 さまざまなアンケート調査を見る限り、エンドユーザー様のWindows 7 EoSへの準備は特に中堅・中小企業で出遅れているのが実情だ。認知の遅れに加え、EoS後もWindows 7を使い続けることを選択するエンドユーザー様も少なからず存在することが、こうした結果につながっていると見られる。
 会計システムなどのスタンドアロンで運用するシステムの場合、適切なポリシー設定を行うことで、Windows 7を使い続けることも一つの選択肢になる。ただし、その場合は「ダウングレード権」を利用しているかどうかに注意する必要がある。
 よく知られるとおり、Windows 10プリインストールP Cにはダウングレード権が設定され、エンドユーザー様の多くは購入後、OSをWindows 7にダウングレードして利用してきた。その権利はWindows 7 EoSに伴い消滅するため、EoS後も使い続ける場合、新たにボリュームライセンスの購入が必要になることがその理由だ。ダウングレード端末を使い続ける場合、その啓発も必要になる。
 次に、移行先OSであるWindows 10の特長と提案時の注意点を整理していこう。最大の特長は、Windows 95から始まり、Windows 7、Windows 8に至る“ナンバリングOS”の最終版という点だ。
 もちろんマイクロソフトが今後もOS開発を続けることは言うまでもない。最新版は今後、年2回のサイクルで配布されることになる。メジャーアップデートは3月と9月が予定され、昨年からそのサイクルでアップデートが行われている。
 それにより、EoSを考慮することなく使い続けられるOSである点は重要なポイントになる。正確にはビルドごとにEoSを行うがそれについては後述したい。また、アップグレード間隔の短縮化は、セキュリティ対策の強化にもつながっている。これまで攻撃者は、リリース間の時間を利用してOSの弱点を発見し、攻撃を高度化することが可能だった。その間隔の短縮化は、最新のセキュリティ機構をタイムリーに組み込むことを可能にするため、攻撃者に時間的余裕を与えずセキュリティ強化につながる。
 なお、セキュリティという観点では、脅威の予防、検出とその対応をOSレベルで行うことも重要なポイントになる。エンドポイントのマルウェア対策という観点では、Windows 10は既に専用セキュリティツールに匹敵する能力を備えている。

ビジネス用Windows 10は最長18カ月更新延期が可能
 その一方、Windows 10移行提案では、年2回のメジャーアップデートという仕組みそのものを不安視するエンドユーザー様も少なくない。アップグレード間隔の短縮により、独自開発した業務アプリケーションなどの動作検証を行う時間の確保が難しくなることがその理由だ。こうした問題に対応し、Windows 10 ProとEnterpriseには、最大18カ月間メジャーアップデートを延期する機能が備わっている。
 多少煩雑になるが、ここでWindows 10のアップグレード版の開発から公開に至る流れを整理しておきたい。
 Windows 10のアップグレードは、整数と小数点以下の数字で構成されるビルド番号で管理されている。開発チームによる評価を終えた最新ビルドは、まずマイクロソフト社内のテスト運用を通して問題点の洗い出しを行う。このプロセスは「Canary」と呼ばれるが、これは坑道などの有毒ガス検知を目的にした、いわゆる「炭鉱のカナリア」に由来するという。
 その次のステップが、Windows Insider Program参加ユーザーを対象にしたプレビュー版公開で、ここで再検証したうえで一般公開される。なお3月、9月に行われるのはプレビュー版公開で、一般の個人ユーザーは4月、10月以降、順次アップデートされる。法人ユーザーについては、個人ユーザーへの配付の4カ月後に最新版の配付が開始されるが、それがリスクを軽減するための仕組みであることは言うまでもない。
 マイクロソフトが公開後の最新ビルドを「Current Branch」(CB)、ビジネス利用に推奨する最新ビルドを「CurrentBranch for Business」(CBB)として区別する理由もそこにある。なおCB、CBBの呼び名は、年2回の更新サイクルの定着化に伴い、「Semi-Annual Channe(l Targeted)「」Semi-AnnualChannel」に変更されている。
 また、Windows 10のビルドには、従来のEoSに相当するサービスタイムラインが設定され、リリースの18カ月後にサポートは終了する。Windows 10 Proのアップデート延期が最長18カ月に設定されている理由もそこにある。この仕組みを利用することで、プレビュー版から「Semi-Annual Channel」配付までのタイムラグを考慮しても1年間以上の検証時間を確保することが可能になる。
 ちなみに金融機関などの安定性が求められるシステムや組み込み機器には、「Long Term Service Channel」(LTSC)を利用することで、最長10年間、同じバージョンのWindows 10を利用することが可能になる。「Semi-Annual Channe(l Targeted)「」Semi-Annual Channel」「LTSC」はそれぞれ、「半期チャネル(ターゲット指定)」「半期チャネル」「長期サービスチャネル」の日本語訳があてられている。
 Windows 10で注目したい新機能の一つに、イメージをクラウドにアップロードすることでユーザー自身によるイメージインストールを可能にするWindows AutoPilotがある。デバイスリプレースでは、ユーザー自身がアカウント情報の入力を行うことが一般的だが、その延長上でイメージインストールまで行えることがその基本的な考え方になる。その一方で、動作確認まで行ったうえで端末を配付したいと考えるエンドユーザー様も多いと考えられる。その場合は、バックアップソリューションで定評があるアクロニスが提供するイメージ展開ツールAcronis Snap Depl oy(アクロニススナップデプロイ)などが有効だ。情報システム部門でキッティングまで行うエンドユーザー様には、これまで同様、効率的に展開が行えるツール提案もあわせて行いたい。

Windows 10+Office365の移行提案に注目したい
 最後のナンバリングOSであるWindows 10への移行は、E o S商機の消滅という意味も含んでいる。Windows 7 EoSは、サブスクリプションによるエンドユーザー様を囲い込む機会としてぜひ活用したい。
 その際に注目したいのが、2020年10月13日にE o Sを迎えるOffice 2010の存在である。また、Office 2007以前のOfficeツールを使い続けるエンドユーザー様は今も多い。Officeソフトのぜい弱性を利用した乗っ取りも数多く報告されていることを考えると、EoS後のOfficeソフトを継続利用するリスクについても積極的に啓発していくことが大切だ。
 Offi ceツールの移行候補には、サブスクリプション版であるOffice 365と今年後半にリリースが予定されるOffice 2019がある。両者を比較すると、コミュニケーションツールをはじめとする多様な機能を備えるOffice 365は、多くのエンドユーザー様にとり魅力的な商材になることは間違いない。
 OS移行とからめて提案する場合にぜひ注目したいのが、Windows 10 Pro、Office 365 Business Premium、さらにデバイス管理ツールであるMicrosoft InTuneの3コンポーネントから構成されるMicrosoft 365 Businessだ。「コミュニケーション「」セキュリティ「」端末管理の容易さ」など、中堅・中小企業のニーズへの対応を図ったMicrosoft 365 Businessの第一の特長は、機能のシンプルさと分かりやすさにある。永久ライセンス版Offi ceには含まれない、次世代コミュニケーションツールとして注目されるMicrosoft Teamsが利用できる点もポイントの一つ。クラウド商材は仕組みが複雑という先入観を持つパートナー様にこそ注目してもらいたい商材だ。

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■Windows のサポートライフサイクル期間図
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■Windows as a service によるセキュリティリスク削減イメージ図
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■Windows as a Service の流れ図
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■Windows 10 のチャネル図
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■Windows AutoPirot のイメージ図


■Microsoft 365 Business図
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【巻頭特集】

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・ITビジネスの市場とトレンド予測注目キーワードから見る2018年、IT投資の方向性【Vol.96】

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