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2007年9月時点の情報を掲載しています。
セカンドライフとは、インターネット上で3Dのインターフェースを利用した仮想世界であり、欧米で急成長しています。米カリフォルニア州サンフランシスコを本拠地にするLINDEN LABS社が構築・運用しています。セカンドライフは元々、三次元式ロールプレイングゲーム感覚でネット上に自分の分身(アバター)を作り、他の「ネット市民」たちとチャットを利用して会話することができる場所です。架空の自分を演じて仮想世界を冒険、ビジネスからデートまで人との交流を楽しむことができるものでした。
その後、この空間に魅力を感じた人々が分身のための使用ツールや、住空間(「不動産」は当初LINDENLABSが販売)を購入しはじめました。セカンドライフの特徴の一つとして、購入だけでなくアイデアや商品を販売し、利益を得ることができるようになったのです。また3Dであることから、CADなどと同じように、開発中の商品が試される場も提供され、企業としては利用価値の高いものになり、マーケティングのチャンスも得られるありがたい存在へと成長したのです。
その結果、企業の参加が増大する一方、セカンドライフ内で某国が大使館を開設したり、現実世界では借家人だけど、セカンドライフでは自宅が建築できる特長などから一般ユーザーからの注目度も高くなっています。さらにLINDEN LABS社が「中央銀行」として仮想通貨「LINDENドル」を用意し、しかも得た利益を実際の米ドルと交換できるようにしたため、今やセカンドライフの住人は全世界で800万人以上の規模と推定されています。
無論、米国政府からすると米ドルがこのように収入源にされるなら、何らかの規制(少なくとも課税)の対象にしようと、最近連邦議会ではさまざまな法案が検討されています。問題は「仮想空間をどこまで規制できるか」ですが、2008年の大統領選の先行きもまじえて、複雑な論争になっていきそうです。
この動きに平行して、現実世界で長年金融業を営む米ウェルズファーゴ銀行(西部劇に出てくる護送幌馬車の運用会社が前身)が、「ステージコーチ・アイランド」という3D仮想空間の運用を開始したのです。同銀行では仮想通貨の問題など今後セカンドライフに色々な規制が課せられたとしても、実際に米国金融当局の下で銀行業を手がけていることから、うまく折り合ってこの仮想空間ビジネスを伸ばしていくと推測されます。
セカンドライフの現状は、米開拓史に出てくる荒くれ西部と同様に開拓の空間が無限にあります。あたかもサンフランシスコ近郊で金が発見されて、「ゴールドラッシュ」がスタートした如く、ますます多様な仮想世界が作り上げられていくと思われます。実際、米国のソニーコンピュータエンタテイメントが、プレイステーションをキーボード代わりにしてアクセスできる仮想空間を検討中ともささやかれています。
今後、セカンドライフを含めた「仮想世界」は爆発的にユーザーが増えると思われ、仮想世界ビジネスの市場は無限大に伸びるといっても過言ではありません。今後の米議会の動向とともに、「サイバースペース」上の成り行きに目が離せません。
セカンドライフに日本語β版が登場した
【コラム】「米国IT事情」
・第2回 国内外に米国P影響及ぼすLC事情 【Vol.33】
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