2014年4月1日、消費税率の5%から8%への引き上げが表明された。消費税の変更は企業の会計システムに大きな影響を及ぼし、サーバやクライアント、システム、ネットワークといったIT機器・ソリューションについて、増税前の駆け込み需要が想定される。増税への具体的な対策と、高まるIT設備投資の概況についてみていこう。 |
10月1日、安倍晋三首相は、消費税を2014年4月1日に現行の5%から8%に引き上げることを表明した。昨年8月、当時の政権与党であった民主党と自民党、公明党の三党合意によって可決された改正消費税法に基づくものであり、1997年以来、実に17年ぶりの税率引き上げとなる。
改正消費税法には、2015年10月1日に消費税率を8%から10%に引き上げる内容も盛り込まれている。安倍首相はいまのところ、「10%への引き上げは改めて検討する」と述べており、実施されるかどうか現時点では不明だが、来年4月の消費増税後に懸念される景気の腰折れがそれほど大きくなければ、予定どおりに実施されることになる。
消費税率の変更は、企業の会計システムにも影響を及ぼす。詳しくは後述するが、今回の消費税増税については、5%から8%に上げる段階よりも、実は8%から10%に上げる段階のほうがシステムに及ぼす影響が格段に大きい。10%への引き上げが実施されるかどうかは不透明であるとはいえ、変更の準備だけは早めに進めておいたほうがいい。
消費税増税は、当然ながら個人消費や企業の設備投資にマイナスの影響をもたらすことになる。消費税率が5%から8%に上がれば、個人にとっては実質的に3%の値上げ、エンドユーザ様にとっても3%の投資額アップになるからだ。
巻頭インタビューに登場した消費税対策に詳しい公認会計士の岩谷誠治氏は、「とくに耐久消費財や企業の固定資産などについては、税率が上がる2014年4月までに駆け込み需要が沸き起こることは十分想定されます」と語る。
サーバやクライアント、システム、ネットワークといったIT機器・ソリューションについても、受注が大幅に拡大することが予想される。
一方、エンドユーザ様にとっては、増税によって落ち込む売り上げ、薄まる利益をいかに減らすかが大きな課題となる。増税を機に新たな価格競争を巻き起こし、競合他社を追い込もうとする動きが広がる可能性もある。よりきめ細かなマーケティングや営業戦略を実践するため、IT活用を本格化する機運も高まりそうだ。
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