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2017年3月時点の情報を掲載しています。
半導体技術の発展に伴い、PCのフォームファクターのバリエーションが増えてきている。中でも、ビジネスクライアントP Cとして注目が集まっているのが、NUCである。NUCは、インテルが2012年11月に発表した、超小型P Cフォームファクターである。NUCとは、Next Unitof Computingの略で、インテルが提唱するUCFF(Ultra Compact Form Factor )というフォームファクターに準拠した超小型マザーボードを採用する。U C F F準拠のマザーボードは正方形で、サイズは101.6×101.6mmと非常にコンパクトだ。まさに手のひらサイズのPCといえる。サイズが小さくなることで得られるメリットは大きく、液晶ディスプレイの背面に装着してデジタルサイネージとしての利用や、機器への組み込み用途など、PCの活用範囲をさらに広げることができる。NUCは、コンパクトな筐体ながら、性能や拡張性が高いことも魅力である。CPUとして最新のCore iプロセッサを搭載可能であり、単体GPUを搭載する製品もある。また、ビジネスクライアントP C向けの管理機能「vPro」対応製品も登場しており、ビジネスの現場でもN U Cを活用する例が増えてきている。
NUCは、ハードウェアベンダー各社から発売されているが、中でも注目したい製品は、IntelのフラッグシップNUCベアボーン「NUC6i7KYK」だ。CPUとしてクアッドコアのCorei7-6770HQを搭載でき、最大32Gメモリーや大容量の高速SSDなどを搭載することで、ハイエンドデスクトップP Cとして運用できる。NUC6i7KYKのサイズはW211×D116×H28mmとコンパクト。本体は、横置きでも縦置きでも利用できるため、机の上の専有面積も非常に小さい。
コンパクトな筐体ながら、インターフェースも充実しており、USB 3.0×4、Thunderbolt 3、Mini DisplayPort、HDMI、Gigabit Ethernet、SDカードスロット、IEEE802.11ac 無線LAN 、Bluetooth 4.2、音声入出力を備えているため、拡張性についても満足できる。SDカードスロットを標準搭載しているため、デジタルカメラで撮影した静止画や動画などの取り込みにも便利だ。電源は付属のA C アダプターから供給される。NUC6i7KYKと、ワコムの液晶タブレット「Wacom Cintiq Pro 13」を組み合わせることで、イラストレーターやマンガ家などのクリエイター向けにもお勧めの製品となることはもちろん、省スペース性と性能を高いレベルで両立させており、性能重視のビジネスクライアントPCとしても適している。Core i7-6770HQの内蔵グラフィックスコア「Iris Pro Graphics 580」は、128MBのeDRAMを搭載しているため、一般的なCore iプロセッサの内蔵グラフィックスコアよりも描画性能が高く、3D CADやDTPなどの比較的重い作業も快適に行うことが可能だ。また、本体重量も約615gと軽いので、お客様先に持ち込んでプロジェクターなどに繋いでプレゼンテーションを行うことはもちろん、海外出張時などのセカンドマシンとして持って行くという使い方も考えられる。オフィスで使っていたデスクトップPCのリプレイスを考えているのなら、代わりにNUC6i7KYK内蔵PCとワイヤレスキーボード、ワイヤレスマウスなどをセットで導入することで、机の上のスペースを有効活用でき、生産性の向上が期待できるだろう。
text by 石井英男
1970年生まれ。ハードウェアや携帯電話など のモバイル系の記事を得意とし、IT系雑誌や Webのコラムなどで活躍するフリーライター。
IntelのフラッグシップNUCベアボーン「NUC6i7KYK」。クアッドコアのCore
i7-6770HQを搭載可能で、高い性能を実現する。インターフェイスも充実している。
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intelのキットには、このどくろマークのカバーのほかに、どくろなしのカバーが付属する。
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