サイオステクノロジー株式会社(以下、サイオス)は、Red HatのLinux OS最新版『Red Hat Enterprise
Linux 5』に対応したサポートサービスを提供するとともに、最新OSに対応し非同期ミラーリング機能の追加とGUIの拡張がなされた、HAクラスタソフトウェア『LifeKeeper
for Linux v6 Update1』を販売開始した。これにより、基幹系システムの信頼性がさらに向上する。
レッドハットは2007年4月18日から、Linux
OSの最新版『Red Hat Enterprise Linux 5』の提供を開始した。その最大の特長は、オープンソースの『Xen(ゼン)』をベースとした仮想化技術を採用していることだ。これにより、単一のサーバに複数のOSやアプリケーションを搭載して同時に稼動させることが可能になる。通常は15%から20%程度と言われるCPU稼働率を最大で80%程度にまで高め、システム全体のリソースを最大限に活用することができる。マルチコア搭載のCPUを採用した最新のサーバに対しても本来のCPU性能を充分に活用した運用が可能となり、投資対効果を最大化できる。同時に、従来のシステムで使用していたバージョンアップの困難なアプリケーションをOSごと仮想化できるので、効率的なサーバ運用が可能となる。
また、大規模な基幹システムにおいて初期導入費用と運用コストを最小限に抑えると同時に、ネットワーク相互の運用性やセキュリティの強化など、商用UNIXをベースとしたシステムよりも高い信頼性と性能を実現するために、多くの新機能を搭載している。
『Red Hat Enterprise Linux 5』は、サーバ向け製品として、仮想化環境のゲストOSを無制限に使用できる『Red
Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform』(RHEL 3/4 ASの最新版)と、仮想化ゲストOSを最大4つまでサポートする『Red
Hat Enterprise Linux 5』(RHEL 3/4 ESの最新版)を提供。さらにクライアント向け製品として、『Red
Hat Enterprise Linux 5 Desktop』を提供し、パワーユーザや要件の厳しいクライアントアプリケーションに最適な『W
o r k s t a t i o n option』(RHEL 3/4WSの最新版)と、マルチOSの仮想化環境に対応する『Multi-OS
option』を用意している。(図表1)
サイオスでは、『Red Hat Enterprise Linux 5』についても、サポートサービス『Red Hat Enterprise
Linux Plus』を提供している。『Standard Plus』では、9時から21時まで電話・Web/Mailによるテクニカルサポートを提供。さらに『Premium
Plus』では、24時間×365日のテクニカルサポートを提供し、21時から9時までは専用の問い合わせ窓口により、システムダウンなどの重大な障害に対応する。
そのうえで、システム障害時に原因がわからない場合に役立つ「HW/SW障害切分け支援」、インターネットから大量のアップデートファイルをダウンロードする時間と手間が省ける「Updateメディア・デリバリーサービス」、ユーザー専用サイトによる最新情報の提供など、ユーザーの視点に立った多彩なサービスを提供する。また今後もサービス内容を順次充実させていく予定だ。このため、システム管理者やエンドユーザは、最新の『Red
Hat Enterprise Linux 5』を安心して運用することが可能になる。
さらにサイオスでは、『Red Hat Enterprise Linux 5』に対応したHAクラスタソフトウェア『LifeKeeper
for Linux v6 Update1』を2007年5月7日から販売開始した。
『LifeKeeper for Linux v6 Update1』は、x86、AMD64/ EM64T、IBM POWERで『Red
Hat Enterprise Linux 5』を新たにサポートする。また、『SteelEye Data Replication v6
Update1』と『LifeKeeper for Linux v6 Update1』との連携により、共有ストレージを使わずに、最大8サーバまでのデータレプリケーションと、カスケーディングフェールオーバーを組み合わせた信頼性の高いシステムを構築することが可能となる。これにより、たとえば、本社のデータを複数の拠点に送ってデータレプリケーションを行うことができるので、障害対策の安全性をより一層向上させることができる。その際、ミラーリングを非同期で行えるので、ネットワークの負荷が軽減され、ネットワーク帯域が狭いWAN環境の遠隔地同士でもデータレプリケーションの構成を取ることが可能になる。(図表2)
さらに、『LifeKeeper for Linux v6 Update1』では、 LifeKeeper製品の特長である、「わかりやすいGUI
(グラフィカルユーザーインターフェース)画面」が改良された(下画面)。従来のものに比べ、視認性・操作性が向上し、データレプリケーションの設定などが視覚的にわかりやすくなり、より一層使いやすくなった。これにより、システム管理者の管理負荷を軽減できる。
また、主要なデータベースや業務アプリケーションに対応したARK(アプリケーションリカバリーキット)も充実させている。『VMware
ESX Server 3.0』、『PostgreSQL v8.2.1』を新たにサポートし、Power Path Recovery KitがPower
Path5.0をサポートするなど、マルチパス対応のARKも拡充している。こうしたARKを活用することにより、基幹系システムのHAクラスタがスクリプトレスで簡単に行えるようになり、HAクラスタシステムを構築する際の導入コストや開発工数を大幅に削減することができる。
今回の『Red Hat Enterprise Linux 5』の登場により、今後は基幹系システムの仮想化ニーズがますます増加するであろう。それに伴い、仮想化環境でのHA化がより必要となってくる。VMwareの仮想化環境に対応している『LifeKeeper
for Linux v6 Update1』を、ぜひ効果的に活用していただきたい。これは、LifeKeeperビジネスパートナーにとっても大きなビジネスチャンスといえるだろう。
■ 図表1 Red Hat Enterprise Linux Plus
■ 図表2 SteelEye Data Replication for Linux v6 非同期ミラーリング対応