現在、仮想化技術をリードする製品はヴイエムウェア社の製品ファミリーである。その中核をなす『VMwareInfrastructure 3』は、1台のサーバを複数の仮想マシンに分割する『VMware ESX Server』と、ハードウェア資源の配分を最適化する『VMware DRS』、稼動中の仮想マシンを他のサーバに移動する『VMwareVMotion』などで構成される(図1)。すでに2万件を超えるさまざまな規模の企業や団体で活用されている。 『VMware Infrastructure 3』においても、信頼性向上のために「VMware HA」という機能が用意されている。 「VMware HA」は、『VMware ESX Server』の動作を監視して、障害を検知した際には別の『VMware ESXServer』上で仮想マシンを再起動する。ところが、 「VMware HA」はハードウェア障害または『VMware ESXServer』の障害に対応する機能であるため、仮想マシン上のOSの障害やアプリケーションの障害に対しては、別のソリューションを用意する必要があるという点が課題になる。 また、障害復旧時に仮想マシンやOSの再起動に時間を要するため、一刻も早いリカバリーが求められる状況では課題となる。特に仮想環境では、一台のサーバの障害が数多くのアプリケーションに影響を及ぼす。そのため、信頼性を向上するためには専用のHAクラスタソフトを導入するなど細心の注意を払う必要があるのだ。