サイオステクノロジー株式会社(以下、サイオス)は、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、IBM)、株式会社大塚商会(以下、大塚商会)と協業し、『L i f e K e e p e r f o r L i n u x 』と、I B M にて『LifeKeeper for Linux』の稼動を検証した推奨IBMハードウェア構成をパック化して提供を開始した。
これにより、大塚商会の販売パートナーは、中堅・中小企業に対してHAクラスタシステムを手間なく簡単に拡販できるようになる。
IBMは、これまでミッドレンジ以上のストレージ製品を中心に販売しているが、2007年3月に、設定や管理が簡単なエントリークラスのディスク・ストレージ製品『IBM System Storage DS3000シリーズ』をリリースした。これにより、中堅・中小企業のシステムにおいても、IBMのストレージ製品を低価格で導入できるようになった。しかし、ミッションクリティカルな用途で活用するためには、ハードウェアの障害などに迅速に対応できる環境が必要となる。そこで効果を発揮するのが、HAクラスタソフトウェアの導入である。
DS3000シリーズでは、Linux環境におけるHAクラスタソフトウェアとして、サイオステクノロジーが提供している『LifeKeeper for Linux』を、唯一、動作確認済みのサポート対象製品として認めている。その背景として、『LifeKeeper for Linux』はワールドワイドで豊富な実績があり、年間稼働率99.99%、すなわち年間わずか53分相当の停止時間という、企業の要求する高レベルの信頼性とサービスの継続を実現している点にある。またARK(アプリケーション・リカバリー・キット)によって主要なデータベースや業務アプリケーションに対応している点などを、IBM側が高く評価していたからだ。さらにIBMは『LifeKeeper for Linux』の開発元であるSteelEye Technology社と以前から技術提携を行っていた経緯があり、その優位性にいち早く着目していたことも挙げられる。
しかし、実際に販売パートナーがIBMのハードウェア製品を『LifeKeeper for Linux』で冗長化するためには、必要な部品を取り揃えてセッティングするなどのノウハウが必要となる。そこで、HAクラスタ環境の構築を簡素化するために、サイオス、IBM、大塚商会 3社が協業し、『LifeKeeper for Linux』と、IBMにて『LifeKeeper for Linux』の稼動を検証した推奨IBMハードウェア構成を大塚商会にてパック化して、2007年10月中旬から大塚商会より販売することになった。
『IBM System Storage DS3000シリーズ』は、ダイレクト接続またはストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)でデータを強固にかつシンプルに統合し、使いやすい「DS3000 Storage Manager」によって管理コストを削減し、拡張性や柔軟性の要求にも対応する。今回、このストレージ製品を『LifeKeeper for Linux』とIBMのサーバ2台でHAクラスタ化する推奨構成を4タイプ用意した。
各推奨モデルは、サーバのCPUスペックやメモリ容量、外部テープ装置の有無などによって若干の違いがあり、それぞれ小規模、中規模、大規模用途に対応している。このうち、推奨モデル【1】は、CPUにDualCore X e o n 1 . 6 G H zを搭載したサーバ『IB M S y s t e m x3550 モデル22J』を採用。推奨モデル【2】は、CPUに1ランク上のQuadCore Xeon2.0GHzを搭載したサーバ『IBM System x3550 モデルA2J』を採用している。いずれも、メモリ容量は2GBで、ネットワークポート数は4ポート(サービス用ポート3)。共有ディスクの実効容量は600GBである。
一方、推奨モデル【3】と【4】は、QuadCoreXeon2.0GHzを搭載した『IBM System x3650 モデルA2J』を採用し、メモリ容量は4GB、ネットワークポート数は4ポート(サービス用ポート3)に対応。共有ディスクの実効容量は1.8TBの大容量を実現している。いずれも、ホスト・バス・アダプタ自体を冗長化しているため、推奨モデル【1】と【2】よりも冗長性は高い。また、推奨モデル【4】には、外部テープ装置も付属されている。
実際の活用方法は企業によって異なるが、推奨モデル【1】と【2】の導入用途は、どちらかというと単一部内のアプリケーションサーバやデータベースサーバなどが主な用途になる。それに対して、推奨モデル【3】と【4】はホスト・バス・アダプタの冗長化に対応しているので、部門間をまたがるような中・大規模なアプリケーションサーバやデータベースサーバなどで効果を発揮する。
今回の推奨モデルの最大のメリットは、事前に部品の選定や動作確認などを行わなくても、パック化したサーバとストレージのHAクラスタシステムを素早く導入できることである。大塚商会の販売パートナーにとっても、HAクラスタシステムを手間なく簡単にエンドユーザーに販売することが可能になるので、HAクラスタシステムを拡販するうえで大きな武器になるといえるだろう。
また、推奨モデルの販売に伴い、I B M では『LifeKeeper for Linux』の導入ガイドも作成している。これを見れば『LifeKeeper for Linux』の設定方法などがひととおり理解できるので、HAクラスタ構築をスムーズに行うことができる。
大塚商会のBP事業部では、さらに、当ソリューションに保守サービスも含めてリーズナブルな価格で提供しているので、ぜひ導入提案をしていただきたい。