BPNavigator to GO - 巻頭特集

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巻頭特集　中堅・中小企業に最適　AC100V電源対応により、オフィスに設置できるブレードサーバが登場
スモールスタートではじめるブレードによるサーバ統合

2007年11月時点の情報を掲載しています。

サーバ統合がホットな話題になっている。社内に分散していたサーバを1ヵ所にまとめるサーバ統合の主な狙いは、サーバの運用・管理にかかるコストの削減にある、と言ってよい。サーバ統合のためのキーテクノロジはいくつかあるが、ハードウェアの面ではブレードサーバが、ソフトウェアの面では仮想化技術が、重要なテクノロジとなる。こうした最新のテクノロジを利用するサーバ統合は、コスト削減というメリットがわかっていても、中堅・中小企業にとっては敷居が高く、これまで手を出しにくかった。
しかし、そんな状況にも変化が生じてきた。オフィス内に設置することができる、エントリークラスのブレードサーバが登場し、社内サーバルームを持たない中堅・中小企業にとっても、ブレードサーバによるサーバ統合が現実的になってきたのだ。パートナーの皆様にとって、サーバ統合を検討している中堅・中小企業のお客様向けに、スモールスタートが可能な、エントリークラスのブレードサーバ販売の好機が訪れている。

　ブレードサーバとは、いわゆるラックマウントサーバより集積度を高めたサーバのことだ。CPUやメモリを搭載した、ブレードと呼ばれる小型のユニットを、エンクロージャと呼ばれるシャーシに複数格納し、エンクロージャごとラックに組み込む。このようにすることで、サーバの集積度を高めている。たとえば、後で紹介する日本HPの『BladeSystem c3000』は、6Uサイズ（1Uは44.45mm）のエンクロージャに、最大8台のブレードを搭載することが可能だ。
　このように、ブレードサーバの利点のひとつは、高い集積度であり、小さなスペースに多数のサーバを設置することができる点だ。しかし、ブレードサーバの利点は、それだけではない。エンクロージャに電源ユニットや、スイッチングハブなどのネットワークインターフェイスが搭載されている製品も多く、複雑な配線が不要で、多数のサーバをすっきりと設置できるという利点もある。また、エンクロージャにハードウェア監視機能が搭載され、格納するブレードやストレージユニットを集中管理し、障害対応などの自律運用を可能にする製品もある。こうした製品では、ハードウェアの保守にかかる手間やコストを大幅に削減することができる。ブレードサーバは、単なる「小さなサーバ」だけではなく、さまざまなメリットを持ったサーバなのである。

　ブレードサーバの活用方法はさまざまだ。科学技術計算などのスケールアップの視点から活用される場合もあるが、現在、特に注目されているのは、スケールアウトの視点から、複数のシステムを1ヵ所に集中するサーバ統合だ。サーバ統合は、複数の事業拠点や部署に分散して配置されていたサーバを、1ヵ所にまとめて運用・管理することだ。また、複数のサーバをクラスタ構成とし、負荷分散する場合にも、ブレードによるサーバ統合は有効な手段となる。
　サーバ統合の主な目的は、社内に分散していたサーバを1ヵ所にまとめることにより、サーバの運用・管理にかかるコストを削減することだ。クライアント・サーバシステムは、システムを拡張する際の自由度が高い反面、必要に応じてサーバを増設していくと、社内のさまざまな場所にサーバが点在する結果となり、運用・管理に必要以上のコストがかかる、といった弊害が出てくる。そこで、サーバ統合による運用・管理コストの削減が期待されるわけだ。
　このような場合、ブレードサーバとともに活用されるのが、いわゆる仮想化技術だ。仮想化技術とは、システムをハードウェアとソフトウェアに切り離し、ハードウェアに依存せずにソフトウェアを運用する技術のことだ。具体的には、物理的な1台のサーバ上に、複数の仮想マシンを構築し、仮想マシン上で複数のシステムを運用することが可能になる。仮想マシン上で運用するシステムは、ハードウェアに依存しないため、最新のサーバハードウェア上で古い業務システムを運用することも可能だ。つまり、サーバ統合を考える場合、ブレードサーバと仮想化技術の組み合わせは、非常に理にかなった組み合わせであり、実際、サーバ統合において、ブレードサーバと仮想化技術は組み合わせて活用される場合が多い。

　これまで述べてきたことをまとめると、ブレードサーバには、①小さいスペースに多数のサーバを設置できる　②複雑な配線が不要となるため、多数のサーバを整然とラックに組み込める　③ハードウェア監視機能でブレードやストレージユニットを集中管理することで、ハードウェアの保守にかかる手間やコストを削減できるというメリットがある。また、ブレードサーバにはさまざまな活用方法があるが、現在、注目されているのはブレードによるサーバ統合であり、仮想化技術との組み合わせが大きな意味を持ってくること。以上は、ブレードサーバを販売する際の基礎知識として踏まえておきたい。
　さて、以上のようなブレードサーバは、これまで主にデータセンター向け、社内サーバルーム向けの製品として位置づけられてきた。なぜなら、ブレードサーバは、いわゆるラックマウントサーバより集積度が高いため、サーバそのものの重量、消費電力と発熱量、冷却にともなう騒音、電源容量といった、物理的な諸問題があり、たやすく導入することができない側面もあった。そのため、ブレードサーバは、物理的な諸問題をクリアできるデータセンターや社内サーバルームに設置して活用するものと位置づけられてきた。しかし、データセンターを利用できる企業や、しっかりした社内サーバルームを持つ企業は限られてくる。これまで、ブレードによるサーバ統合のメリットを理解していても、ブレードサーバの導入に踏み切れない中堅・中小企業のお客様が多かったのには、こうした背景がある。

続きは本紙でご覧下さい。

■ブレードサーバの導入メリット

1	省スペース
	小さなスペースに多数のサーバを設置することが可能。CPUブレードだけでなく、ストレージやネットワークを含むインフラ全体の統合が可能
2	高可用性、運用・管理の容易さ
	ホットプラグ対応のブレード、冗長化された電源、管理コンソールなどにより高い可用性を提供。ケーブルレスでサーバをすっきり収納
3	サーバ統合が容易
	ブレードサーバ導入の最大の目的。複数の事業拠点や各部署に分散するサーバを1ヵ所にまとめて運用管理が可能になる
4	仮想化技術との親和性
	ブレードサーバは、仮想化技術を用いたサーバ統合を行う場合に最適なプラットフォームとなる

【巻頭特集】

・Linuxサーバ向けHAクラスタソフトウェアの決定版！ LifeKeeper for Linux　【Vol.34】

・コスト削減だけではないVMwareサーバ仮想化製品の導入メリット　【Vol.33】

・ノンストップで業務を継続するためにかかせないデータバックアップとストレージシステムの障害対策　【Vol.32】

・サーバ、ストレージ、ネットワークなど乱立するシステムを統合・合理化する　最新仮想化テクノロジ　【Vol.31】

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